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「あ、そういえば。
親父たち───組織はなんか琥珀のこと探ってたな」
その言葉を引き金に、アラジンはある言葉を思い出す。
あれは数年前。迷宮『ザガン』攻略後、白龍の腕に潜んでいたイスナーンが現れ、口にしたもの。
『おや。今は
「───異星───」
アラジンはぽつりと零す。
何かが引っ掛かる。組織が琥珀を、それはなぜ────
「お前が分かんねーならいいや。俺が直接あいつと話せばいいだけだからな! おいそれよりもチビ、これからどうすんだよ!」
「えっ!? あ、ああ───」
急に話しかけられ、つかえていた言葉は風船のようにどこかへ飛んで行ってしまった。
確かにジュダルの言い分ももっともだ。今琥珀について長々と考えるよりかは、聖宮へ向かう方が賢明だろう。
「……『マギ』だからとかじゃない。
僕は、僕自身と───君のために、進むよ」
ぽつり。
誰にも聴こえることのない大きさで、空回りな言葉を呟いた。
ああ、後悔することになったんだ。
それでも───それ以外の選択肢が、自分にあるわけでもなかった。
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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年11月3日 19時