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第333夜 聖宮へのゲート ページ4




 天山山脈は国際同盟本部。
 転送魔法陣で煌の上空から一瞬でこの中に侵入し、アリババと白龍はそれぞれアモン、ベリアルを取り戻した。

 そしてその最中。杖の上で寝転ぶジュダルは、いかにも不満げな顔でアラジンを睨んだ。


「なあおいチビ、俺ずっとお前に聞きたかったんだけどよ」

「? なんだい?」

「あいつさ……琥珀、どうしちまったワケ? ついに頭イカれたのか? 人類総マッサツとかなんとか言ってただろ。途中で映像ぶち切れて、その後は分かんなくなっちまったけど」

「なっ……そんな言い方しないでおくれよ、僕だってどうしてか分からないんだから」

 アラジンが不服そうにそう言うと、ジュダルは尚更眉間の皺を深くする。

「はあぁ〜? クソムカつくけど、あいつどう見てもお前にお熱だっただろ。なんでテメーが分かんねーんだよ!」

「だからそう言われても僕だって分かんないんだってば! ジュダルくんの方こそ付き合い長いんでしょ、何か知らないの!? 例えば……そうだ、僕も知らない魔法を使ってた」

「ああ? んなこと聞かれてもよ…………」

 起き上がり、杖の上であぐらをかいて暫く考え込む。
 たっぷりと時間を使った挙げ句、

「…………いや、言われてみれば全然知らねーな。なんでだ?」

「………………はあ」

「おいチビ、なんだ今の溜め息は」

 ジュダルは惚けでもなんでもなく、最後の疑問は純粋なものだ。琥珀のことなど、人に尋ねられるまで知らないことにさえ気付かなかった、と言うのが正確だろう。

「昔会った時からアホみてーに強かったしな……何度か俺のほうから仕掛けたけど、まともに勝ったこともねーし、手も組んでくれなかったな」

 彼自身も昔のことを思い出そうと首を捻るが、出てくるのはそんなものばかりのようだ。

〃→←〃



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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年11月3日 19時

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