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ユナンとなぎさがそう言ったこともあって、アラジンも自らの疑問は一旦置いておくことにした。それに、折角ユナンが出してくれた食事も冷めつつある。
昼時ということもあって、二人ともよく食べた。なぎさもユナンに対する警戒心が薄れたのか、ぎこちない動作であったが、皿を空にした。
丸くなった腹をさすりながら、アラジンは床に転がる。
「ふう、ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
なぎさも行儀よく、手を合わせてそう呟いた。
食事も終わったところで、アラジンはかねてからの疑問をユナンにぶつける。
「……ところでユナンさん。ウーゴくんと知り合いって、どういうことだい？」
「ああ、そのこと？」
ユナンは三人分のお茶を淹れながら、静かに話し出した。
ふわりと良い香りが漂う。
「何度も会ったことがあるんだ。僕が死ぬ度にね。
命は絶えれば『大いなる流れ』へ還るもの……でも、『マギ』のルフだけはそうじゃない。
『聖宮』へ還る。そして来たるべき時代に、再び『マギ』として生まれ落とされる」
「……ティトスくんも、そうやって甦ることができたんだね」
「そう。本来は全く新しい命として生まれるところを、今回のレームの『マギ』やそして僕は、生前の意識を残したまま生まれ落とされた。僕は今の体で───確か、九回目かな」
「────九回目！？ 九回も『マギ』に生まれたの！？ 一体なんで……」
驚くアラジンとは対照的に、ユナンはひどく落ち着いていた。自分のそのあり方を、ずっとずっと前に受け入れ、諦めたような表情。
かたん、と盆が机に置かれた。湯気が漂う三人分のカップに、まだ温かい焼き菓子が乗っている。
「さあ、僕も説明されてない。『アル・サーメン』への対抗手段なんじゃないか、って自分では解釈した。
「！ そうか、それが……」
「そう。『ウーゴくん』……モルジアナの話に出てきた、君の守護魔人だよ」
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年8月4日 23時
