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 帰還したアラジンたちを、シンドリアは国をあげて歓迎した。花びらを散らし、笛を吹き鳴らすその様はまるで祭りだ。
 そしてそんな彼らをいの一番に迎えたのは────

「みんな、久しぶり〜! はい、コレあげる! おかえりなさい、シンドリアへ!」

「ピスティおねえさん!」

 真っ先に走ってきては、アラジンに花の首飾りをかける。一年前と変わらないまぶしい笑顔だ。そして急に声を潜める。

「あのね、マグノシュタットでヤムの辛いときに力になってくれてありがとう、アラジンくん。……にしても、相変わらずだね! 全然変わってない……」

「いいや、そうでもないぞ。よく見ろピスティ」

 スパルトスにそう言われ、ピスティは手を繋いだアラジンをよく観察する。
 その事実に気付き、認めるまでに数秒かかった。

「ギャ────ッ!! 身長追いつかれてるぅ──!」



 そして、もう一方では……

「お帰りなさい。ケガはないかい? 先に帰国したシンから話は聞いていたよ」

「ホラ見ろマスルール。モルジアナはいい女になっただろう?」

 優しく迎えるジャーファルとは対照的に、シンドバッドはなぜかマスルールにちょっかいを出していた。
 彼は久し振りのシンドリアにしみじみとしているモルジアナを見て、

「……そっすね」

 ヒュウ、とピスティの口笛が響いた。



「すまなかったな、アリババくん。マグノシュタットをヤムライハと君たちに任せてしまって……俺は二ヶ月後の準備があってな」

「いいえ、アラジンが心残りそうだったから、どうしてもついていてやりたくて……あれ? そういえば、師匠は?」

「おーい、アリババさん!」

 シンドバッドと短く言葉を交わし、懐かしの師匠を探すアリババに声をかける青年がひとり。
 右手にはフック型の義手。見覚えのない彼に、アリババは驚きながらも尋ねる。

「えーっと……どちら様でしたっけ?」

 そして彼は、驚きの言葉を口にした。

「チューッスアリババさん! 俺ですよ、俺! オルバですよ! ご無沙汰してますアリババさん!」

 その後ろからわらわらと出てきたのは、ビルギッド、アーロン、ブロル、ヨーンと懐かしの面々。そのあまりの変貌にアリババは暫し固まった。

〃→←第199夜 戦の後



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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年8月4日 23時

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