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白い炎で構築されたアシュタロスの蛇、そしてアンドロマリウスの狐の尾がそれぞれ『依り代』へと絡み付く。これにより『防壁』の外の『黒いジン』は焼き尽くされ、実質的に『依り代』の装甲はなくなった。
「いくぜ、アモン！」
アリババが叫び、背後の八芒星から除いていた炎の魔人が動き出す。その手には燃え盛る大剣。
「おらぁっ！」
力任せに振り下ろす挙動を見て、誰かが「無駄なことだ」と呟いた。
防壁は破れなかった。周りを囲むようにして浮いていた『黒いジン』は全て消却され尽くしたというのに────『防壁』自体の硬度が、あまりにも度を越していた。
「くそ、極大魔法でも、駄目なのかっ……！？」
それを見かねた紅炎と琥珀はそれぞれ剣を振りかざし、
「奴に炎をくれてやれ、アシュタロス！」
「アンドロマリウス！ 援護だ！」
蛇の胴体と狐の尾が、炎の魔人が手にする大剣へと絡み付く。
全く違う性質を持った金属器の力同士が────やがて一つになった。
魔法は、同系統のものを同時に使うとより強力になる。『極大魔法』でも、同じ事が起こっていたのだ。
「────何！？」
上空から傍観していた覆面の男達は焦りを見せた。まだ力を蓄えているはずの『依り代』の『防壁』に、あろうことか亀裂が走ったからだ。
全身全霊で、血管が千切れそうなほどに金属器に圧をかけるアリババを紅炎は笑って見ていた。この状況を楽しんでいるとでもいうように。自分自身も極大魔法を使用して疲労に苛まれているというのに、なんて精神力だと琥珀は理解ができないでいた。
「どうした？ 情けない奴だなぁ、もっと力を出せ！」
「うるさいな、わかってるよ！」
自分の立場も相手の地位も忘れ、
「やってやるぜ！！
────極大魔法『
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年7月9日 0時
