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「ええい、もう面倒臭い！」
数十もの黒いジンをルフへと還し、紅炎は突如苛立ちを含めた怒号をあげる。
「おい、そこのバルバッドの小僧！ 琥珀！ 来いッッ！！」
「……？？」
「え、あ────私！？」
これまた突如名指しされたアリババは状況が飲み込めない表情を浮かべ、琥珀はまさか自分まで巻き込まれるとは思ってもなく、素っ頓狂な声をあげた。
そして自分から来ないと分かれば、紅炎はさながらジェット機のようにアリババと琥珀目がけて突っ込み、二人の首根っこを掴むと連れ去って行ってしまった。
「あ、アリババくーん！？ 琥珀さーん！？」
慌てふためくアラジンに、白瑛は慣れた様子で説明した。
「ええと、今のはですね。
このままでは大量の敵を相手にままならぬ故、同じ炎のジンを有するアリババ・サルージャ殿、そして琥珀殿にも、火山で魔力を充填した上で、是非、ご助力願いたい────と、仰っておられるのですよ、紅炎殿は！」
白瑛の言う通り、二人は魔力の補填……というか、アリババは無理矢理溶岩に沈められている。溶岩で溺死するというのもおかしな話だが、今にも溺れてしまいそうだ。
「それ、いつあのおじさんが言ったんだい！？ 来い、しか言ってないよ」
ただ、助力、と言っても一体何をどうするというのか。疑問の残る紅覇の隣で、アラジンは大きな八芒星を指差した。
「あ、あれっ！！」
まさか、と魔装戦士たちは息を呑む。
────三つの極大魔法を、同時に撃つ気だ。
アリババの八芒星の二倍はあろうかという大きさの紅炎の八芒星。あれは魔力に比例するものだ。────これは余談だが、琥珀の八芒星は、紅炎のものより一回りは小さかった。
極大魔法の複数同時発動など、前例にない。
どうなるのか、などは全くの未知数だ。
「恐怖と瞑想の精霊よ」
「神罰と執行の精霊よ！」
「礼節と幻覚の精霊よ。
汝が王に力を集わせ、地上を裁く大いなる業火をもたらせ！」
八芒星から姿を現したのは、どれも炎で精製された蛇/狐/魔人。
「極大魔法、『
「極大魔法……『
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年7月9日 0時
