〃 ページ32
「ユ、ユナンさん……シンドバッドさんと、琥珀さんともお知り合いだったんですか」
第三の誤解者だ。
いや、今の話をどこまで聞いていたか分からないが、これ以上
「ほ、ほらおじいちゃん人違いしたでしょ？ そこのシンドバッドおじさんがおじいちゃんのこと迎えに来たって」
「おじさん言うな！」
最早ユナンすら差し置いてシンドバッドと琥珀の言い合いになりそうな気配を察知したのかしてないのか、モルジアナはすかさず話題を変える。
「琥珀さんたちとお知り合いだったこと、一度も話されませんでしたね」
「うん、聞かれなかったからね」
琥珀がここまでモルジアナに感謝した時があっただろうか。いや、多分ある。
「ダメダメモルジアナ、この胡散臭い男とまともに語り合おうなんて。真実をいくつも隠されて、痛い目を見るだけさ」
「やだなぁシンドバッド、僕はきみ以外にはそんな事はしないよ。あんまりね」
「……！？」
「じゃあねモルジアナ、僕はすぐ行かなくちゃならないんだけど、また会おうね。いつでも『大峡谷』の僕の家へ遊びにおいで！
なんなら、寂しいからもう２〜３日僕の家にホームステイしていっても……琥珀となぎさちゃんも……」
「ダメだダメだ！ おまえいい年こいたオッサンが……琥珀はともかく子供連れ込んで一体何するつもりなんだ！？」
「誰が泊まるか。……ともかく？」
ユナンは厭な笑みを浮かべながら、
「え〜〜何もしないよ、ほんとやだなぁシンドバッド。その発想がおじさんだよね……時の流れって物悲しいよね……」
「お、おまえにおじさん言われたかないわ！！」
「なんだか肌もテカテカ脂ぎってるし」
「これはバアルの鱗がキラキラ輝いてると言えっ！」
「見栄を張るのはよくないよ」
「見栄じゃね────よ！」
「えいっ！」
「ギャ──────ッ！！」
そうしてバアルの尻尾を散々モフった後、ユナンは(石を投げられながら)嵐のごとく飛んでいってしまった。
「じゃあね────また会おう、琥珀、シンドバッド───！」
「来るな─────ッ！！」
「二度と来るな────ッ！」
(ユナンさん、とても楽しそうだわ！)
第■■夜 捕食→←おまけ(？)＊＊ちゃんとユナンくんとシンドバッドおじさん
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年7月9日 0時
