magi 20

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〃ページ30

「そういえば、あの巨人から飛び散った大量の黒ルフは……どこに消えたんだろう？」

　人々はそう疑問を持つも、それを追及することはなかった。
　今はとにかく、これからも友人や家族と共に生きていけることを喜ばしく思っていたから。

　その黒いルフが彼を中心として渦を巻く。

「よっと」

　やがて集束したソレを、彼は軽く左手で摑み取った。

「この力を使えるのは、堕転した『マギ』だけだぜ」

　掌の中で、黒いルフは八芒星の浮かぶ飴玉ほどの大きさにまで圧縮されていた。
　これだけで一体どれほどのエネルギーや情報を秘めているのだろうか。
　それだけ済ませると、ジュダルは隣に佇む白龍に向き直った。

「行こうぜ白龍。もう用は済んだだろ？」

「……ああ。

　アラジン殿。
　モルジアナ殿。
　アリババ殿。
　琥珀殿、なぎさ殿───

　やはり、あなたたちに背を向ける道を選ぶことになり、申し訳ありません。

──────さよなら」

◆