magi 20

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第195夜すべての力ページ17

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　エリオハプト、アルテミュラ、ササン、イムチャック────実に四つもの金属器を携えた『七海連合』。

　琥珀も顔馴染みの連中がいる国々の連中だ。魔力を無駄使いしないように──本音はここにいるのがバレて面倒事にならないように──琥珀は魔装を解き、地上からアラジンたちと共に、『金属器』使いとその眷属たちを見上げていた。

「───我が身を捧げる、我が身と一つになれ！」

　異形となった眷属たちの破壊力は計り知れないものだった。口から光線を吐き、巨大化した体躯で『依り代』に襲いかかる。琥珀は魔力消耗によって切れ切れになった呼吸を整えながら、その様を見届ける。どうやらまだ軽口を叩く体力はあるようだ。

「なんかもうすげえな、怪獣大戦争？やばい、世紀末じゃん」

　アリババもモルジアナに抱えられたまま、口を開けたままぽかんと空を見上げている。

「あ、あれってドラコーンさん、だよな……！？『眷属』ってのはどいつもこいつもあんなことできんのかよ……」

「すごい。私もいつか、きっとあんな風に！」

「えっ！？」

「それはすすめられないな、モルジアナ……
　教えたはずだよ。一度『眷属』と同化を果たせば、二度と『人間(ヒト)』には戻れなくなる。『アルマトラン』で戦士たちが果たしたと伝え聞く、いわば悲しい『最終手段』だからね」

　急に割り込んできた柔らかい声に琥珀は過剰に反応し、さりげなくアラジンの後ろに隠れた。モルジアナはユナンに対する彼女の反応も気にせず、勢いよく地を蹴った。

「でも私、もっと強くなりたいんです！」

「あっ、モルジアナ！？だ、大丈夫かおまえ、そんなに『眷属器』ハデに使って！？また魔力が切れたら……」

「大丈夫だよ、『アリババくん』」

　そのアリババの少し後ろ、もう一人の子供の後ろに隠れるようにしてこちらを見上げている、見覚えのある少女をユナンの瞳が捕らえる。だがそれを確認するよりも先に、シンドバッドがユナンを睨んでいた。