第194夜 滅亡の時 ページ15
「決着をつけましょう、アラジン。同じ『アルマトラン』の『マギ』として！
そして、ソロモン王の傲慢な意志を打ち砕く……そのために私たちは思念だけの存在と化してまでこの世界へやって来たのだから。
ルフよ、消え失せろ……
世界よ、死に絶えろ……
黒く染まれ────世界を、暗黒に染めてやる────」
◆
煌にいる玉艶の思念と同調するように、『依り代』も海を震わすほどの雄叫びをあげる。
空から降りてくる『なにか』はさらに引き寄せられ、その触手を地上へと伸ばす。
「ダメ、ダメだ────」
もはや魔力がどうのと言っている場合ではない。命が尽きようが、手足が折れようが、止めなければならない。絶望に打ち拉がれているよりも、血反吐を撒き散らしてまで『依り代』に立ち向かう。
「このままじゃみんな死んじゃうのに……アリババくんやモルさん、琥珀さん、なぎさちゃん、黄牙や
────みんな死んじゃうのにっ！！」
『なにか』と接続した『依り代』は更に硬度を増す。もはや近づくことさえも難しい。やめろ、やめろと脳内で繰り返す。
ついに、その手が触れる瞬間。
「やめろぉおっ！！」
空を切り裂いた稲妻が『依り代』へと直撃した。
その衝撃で『依り代』は手を離し、体勢を崩して膝をつく。
この世界が産んだ『奇跡』。
後に『大王』となりうる命────
遥か上空、雲に霞んでもなお輝き続ける一つの光。
「『第一級特異点』───シンドバッド！！」
「『
シンドバッドの一撃は、いとも容易く『依り代』を薙ぎ倒した。
この終局での『シンドバッド』の登場に、誰も彼もが驚きを隠せないでいた。
「おじさん！」
「シンドバッドさん！？」
「シンドバッドだと！？ あの男が……そうか、では、奴が引き連れてきたあの軍勢が……」
そのシンドバッドの背後。雲の晴れた上空に佇んでいた幾重もの人影。
「『七海連合』の、『金属器』使いたちか！」
「き、『金属器』使いぃ！？」
アリババがそう叫ぶのも無理はない。
視認できるだけでも四人。その後ろには数十もの眷属。言い換えてみれば、七海連合はこれだけの力を
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年7月9日 0時
