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「────琥珀殿……！？」
果たして少女は、庭の柔らかい草の上へと降り立った。勿論少女とはいえ侵入者は侵入者。即座に兵たちは集まり、彼女へ槍を向けていた。当の本人は抵抗をするわけでも、しかし降伏する素振りも見せない。
そして何事かと駆け付けた紅明と彼の眷属、忠雲だけが、彼女のことを知っているかのような反応をしていた。
「おう紅明。悪いな、また急に押し掛けて」
彼女の呑気な挨拶を受け、紅明は大きな溜め息をつく。
一、二年程前にもあったことだ。ただあの時はまだ人の少ない所から入って来た──いや、それも決して良いというわけではないが──のだが、今回は何故か空から派手な登場をしてきたという。
何を血迷ったのか、と出そうになった言葉を押し込めながら紅明は兵を持ち場へ戻らせた。
「……心臓に悪い。来るなら来ると連絡をして下されば……」
「訳はあとで話す。白瑛と白龍は戻って来たか？」
「？ いいえ、まだ帰還しておられませんが」
「そうか、分かった」
琥珀はそれだけ聞くと紅明へ背を向ける。先程から何が何やらで理解の追いつかない紅明は、自身も長い髪を揺らしながらその背中を追いかけた。
「お待ちください琥珀殿、今回は一体」
「挑発された。売られた喧嘩は買う主義なんだ」
「……挑発？」
◇
「つまりね、『組織』直々のお誘いだよ」
廊下を三人分の靴音だけが響く。琥珀の説明は簡潔だった。
「まさか。『組織』があなたを……」
「細かい話は後にしてくれ。今はとりあえずめちゃくちゃ腹が減った！」
「……」
紅明は再び大きな溜め息をつく。呆れとほんの少しの安心感を抱えた溜め息だ。
────やはり、彼女は十年前とも一年前とも変わっていない。
白状すれば、先程琥珀と会った際、彼女にどこか違和感を覚えていた。
何か、どこかが変わってしまったような感覚。だがそれもきっと気のせいなのだろう、と考えるのはやめにした。
彼女は、こういう人間だ。
◇
「よ、ジュダル」
空に灰色の雲が重なっていたとき。屋根の上で何をするでもなく寝ていたジュダルの目の前に、日を隠す雲のように彼女は現れた。体を起こしたジュダルは特に驚いた様子も見せず、無言で琥珀から顔を逸らす。
「なんだよ、反抗期？」
何の反応も帰ってこない。それは琥珀を拒絶しているようにもとれた。
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名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
