第＊＊夜 学校生活または怠惰 ページ24
「琥珀、本当にそろそろ起きないと遅刻するわよ！」
本日何度目かのゲルダによる目覚ましが琥珀の頭上で鳴り響く。琥珀は頭痛の止まない額を押さえながら、毛布の下で小動物のように小さく唸った。
「……あと、五分……」
「それもう何回目？」
琥珀は痛む頭で冷静に考える。まずはゲルダが起きてからすぐ、早朝一回目。そしてゲルダが着替えてからの二回目。さらに彼女が朝食を摂りに行く前、三回目。さらに食事を済ませて来た……
「琥珀！ 聞いてるの、琥珀！ もうすぐ始業だってば！」
ゲルダは、考え事と共に再び夢の中へとグッバイしそうな琥珀を叱りつける。だがそれでも琥珀の意識ははっきりとせず、その目はとろんとして虚空を見つめていた。
あまりにも起きようとしない、または起きられない琥珀を見て、ゲルダは一周回って風邪か何かだと思い始めたらしい。琥珀の額に手を当て、熱を確認していた。琥珀はその手を退けながらゆっくりと喋り出す。
「熱じゃねえからぁ……ていうか、私に構ってたらお前も遅刻するぞお、早く行け。私は授業なんか受けなくても、大丈夫、だから……」
そうしてまた毛布に包まる。まるで蝸牛のような姿だ。ゲルダはそんな琥珀を心配しながらも部屋を後にした。
もぞ、と蝸牛は緩慢に寝返りをうつ。
未だに琥珀の意識ははっきりとしない。ぼうっとして、夢と
────まるで、無駄な体力を使わんとしているようでもあった。
◇
昼前頃、ようやく琥珀は目を醒ます。
朝のどろどろとした眠気が嘘だったかのように、すっきりとした目醒めだった。目覚めてからすぐ自分の小さなクローゼットを開け、刀に手を伸ばす。
……そこまでして、ようやく琥珀は気付いた。ここはマグノシュタットだ。学院内で魔導士が刃物なんぞ振り回すなんてあまりにもおかしすぎるだろう。まだ自分は寝ぼけているのだろうか、と琥珀はかぶりを振る。
「◯？？∂ω∂？∇◆＠＞＞？」
「いや、大丈夫。ちゃんと目は醒めてるよ」
確信も持てないまま、ベッドの上に座るベベに琥珀はそう返す。刀の代わりに小さな麻袋と筆記具、そして書きかけと白紙の巻物二つを持って彼女へ告げる。
「……図書館に行ってくる。何か面白そうな本があれば借りてくるから、お前は良い子にして待ってて。鞄の中のお菓子、食べてもいいから」
「∀！♨︎⊆†∀！」
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名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
