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「それにしても、この学校も国も本当凄いわよねえ。目がちょっと悪いって言ったら、すぐに視力を矯正してくれる魔法道具を下さったのよ！」
「ああ、それ魔法道具だったの」
「うん。こんなに視界が綺麗になったの生まれて初めてよ。それに、ここには魔導士が沢山いるわ。自分だけが違うともう思わなくていいのね」
心に染み込ませるようにそう言う。
確かに、琥珀も今まで訪れた国でそういう扱いを受けた事はある。だが生まれてから、小さい頃から迫害を受けていた魔導士にとってはこの国は楽園に等しい。琥珀はそれを再認識する。
「そういえば、琥珀はコドル何になったの？ 私はギリギリ４になれたんだけど……」
「１」
「いちぃ！？ どどど、どうやったらコドル１で編入ができるのよ！？ ……もしかして、天才？」
ゲルダは驚きのあまり自分の荷物をひっくり返し、琥珀に掴み掛かる勢いで問い詰める。
「あー、いや……そう。天才。ワタシ天才ダカラ」
どう答えたものかと数秒逡巡した後、面倒臭いので琥珀はそういうことにしておいた。それはそれで面倒なことになるのを、今の琥珀はまだ知らない。
かなり棒読みで苦しい言い訳だったが、ゲルダは人が良さ過ぎるのかすぐに信じてしまう。自分のことを天才と自称する天才がどこにいるのか。
「……て、天才って本当にいるのね……」
「ソウ。ワタシ天才ネ」
そう言いながら琥珀はリュックの中身を出していく。最後にくったりとぬいぐるみのふりをしたベベを引っ張り上げた途端、ゲルダは琥珀の後ろからそれを覗き込んだ。
「あら、かわいい！琥珀って結構少女趣味なのね」
「今のかなり失礼じゃねえか」
「名前は？ 名前はあるの？」
さらに琥珀は分かったことがひとつ。こいつは、基本的に人の話を聞かない。
「……ベベ」
「ベベちゃんって言うのね！かわいい〜よろしくね？」
キュウ、とベベは小さく鳴き声のような返事で返す。琥珀は全身の血の気が引いた。
「……今喋らなかった？この子」
「……腹話術。私、こう見えても腹話術が得意だから。見てろ。
────……『ヨロシクネ、ゲルダチャン』」
背中に嫌な汗が伝うのを感じながら、琥珀は裏声で渾身の腹話術を披露する。当たり前だが、以前に腹話術などやったことはない。
「きゃー！ 可愛い！ それ、とっても可愛いわよ琥珀！」
ははは、と冷めた笑いを琥珀は返す。
さらにもうひとつ、こいつの感性は少しズレている。
────さあ、明日から授業だ。
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名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
