〃 ページ18
「……はぁ。まあ次は、その私の友人がここに世話になると思う。良くしてやってくれ」
「？ そいつは一体どういう……」
健彦が言葉を良い終える前に、琥珀は服の内側に隠すようにして首にかけていた鍵のようなものを取り出す。何かを小さく呟くと、その手中にあった小さな鍵は杖へと変化を遂げた。そして鳥のくちばしにも見える杖の先端で上空に八芒星を描くと、なぎさの首根っこを掴んでそこに飛び込んだ。
「あ、いつか私の友人たちがこの国に来たときには、私がここにいたってことは秘密にしといてくれ！ それじゃあ！」
と、最後に言い捨てるともう彼女の姿は八芒星の中へ吸い込まれ、見えなくなってしまった。
「……本当に、台風みたいな方ですねえ。次はいつ来るのやら」
またいつものざわめきを取り戻す街の中、七海はただそう呟いた。
◇
八芒星から放り投げられるようにして、琥珀となぎさの身体は宙に浮く。琥珀は地面にキスをする前に素早く重力魔法を展開し、二人の身体はふわりと着地をした。なぎさは肩で息をしながら琥珀へ抗議を述べる。
「どうしてこう、いつも、空中から落とされるのですか……」
「さあ、どうしてだろうなあ」
その言い方は原因を分かっていながら放置しているか、最初から故意でやっているかだ。なぎさはそれを分かっていても何も言えず、どうしようもない怒りだけをなんとか空気中へ発散させる。
「そういえば、ここがマグノシュタットなのですか？ 周りには木しかないのですよ？」
「いいや、まだここは近郊の森だよ。転送魔法陣でマグノシュタットへ直接行ったりでもすればかなり面倒臭いことになる。感知されないギリギリのところまでは来たから、こっから関所までは飛んで行く」
そう言って琥珀は空を見上げる。まだ日は高く、沈む気配は全くない。
「……大体、まだ二週間か。思ってたよりも早く事が進んで良かった」
その小さな呟きはなぎさに聞こえない。
それから琥珀は思い出したようにくるりとなぎさのほうへ振り返る。
「そうだなぎさ。お前その姿のままじゃマグノシュタットへは入れないから、悪いんだけどまたベベの姿になってもらわないと」
「え？ なぜですか？」
「マグノシュタットは今、魔導士以外の入国を禁じてるんだ。『防御魔法』を使う『入国審査』があってね。それを通らなければマグノシュタットへは入れない」
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名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
