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すら、と輝く刀身が鞘から抜かれる。その刀身と同じように、新品の鞘も黒い漆が日光を浴びてつるりと光っていた。加えて以前までの鯉口のゆるみも全くなくなり、琥珀は何度か抜き差しを繰り返しては眺めていた。
あれからさらに数日。なぎさはずっと言い出すこともできず、ただいたずらに時間だけが過ぎていた。前の鞘よりも少し装飾が多くなり、より美麗になったそれを遠目で眺めながらぼうっと立ち尽くす。
もう満足したのか、琥珀は革の剣帯にそれを差し込む。そして老人と何か言葉を交わしていた。
少し腰の曲がった、六十から七十代ほどに見える老人だが、その筋肉のついた腕は血管が浮き立っている。
鍛冶屋というと、なぎさには重そうな鉄槌を振り上げ鉄をトンテンカンと打っているイメージしか湧いてこない。そんな稚拙な想像でも、あの老人の積んで来た経験や鍛えられた精根は感じて取れた。
「ごめん、お待たせ」
琥珀は話を済ませてきたのか、ぱたぱたと走ってなぎさの元へ戻ってくる。それから足元に置いてあった麻の鞄を拾い上げた。それから最後に老人へ手を振った。なぎさも何かしなければと思い、軽く会釈だけを交わす。
「それにしても、鞘が出来上がった瞬間にもう出発とはなあ。世界中をあっちにこっちに、本当忙しいやつぜよ」
遠くにまで響きそうなほどの大きい声が後ろからかけられる。健彦だ。わざわざここまで見送りにきてくれたらしい。
「まあ、ちょっと色々急いでてね」
「何じゃったか、次は『マグノシュタット』やったか？ 魔導士の学校とかなんとかっちゅう。どいてわざわざそがなとこに？」
「そう、世界最高峰の魔導士育成機関『マグノシュタット学院』。……友人がそこにいてね。勉強する気はさらさらねえけど、会いにでも行こうかと」
彼女の瞳に影が差したのに気付いているのかいないのか、健彦は少し疑問を残しながらも頷きだけを返す。
「……おまえに友人と呼べる仲のやつがおったとはなぁ……」
「は？」
「ま、まあまあまあ」
今にでも鯉口を切りそうな雰囲気を吹き飛ばすようになぎさが割って入る。七海や難升米、鬼倭の人達はまた始まった、とでも言いたそうな表情をしていた。
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名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
