〃 ページ2
────同時刻、『鬼倭王国』上空。
雲ひとつない蒼天。
そのど真ん中に八芒星が突如浮かんだ。
子供達は慌てふためくか、興味を示すかの両極端。だが大人達は落ち着いていた。これまでに二度三度と見たことのある光景だからだ。
その小さな小さな島の中、城からそれを覗く人間たち。女は空を覗き、男は一目見て理解したように視線を朝餉に戻した。その動作はどこか呆れているようにも見える。
「あらあ？ あれって……」
「なんじゃあ、連絡もなしに急に押し掛けよって」
女はどこか楽しそうに空を見上げる。それとは対照的に男は溜め息をつくと、茶を一口だけ啜った。
◇
……その、当の本人。
八芒星から出ると一目も気にせずに
その彼女を見るや否や、ある人は親しげに話しかけ、ある子供は興味深そうに空から降り立ってきた二人の少女を見ていた。皆一様に、鬼の角が生えたような仮面を付けていた。
小さな人だかりができた広場へ男は歩み寄る。この国の人間にしては珍しく、その身長は周りと比べてかなり高い。そんな頭ひとつ分抜き出た彼を見て、琥珀は手を振ってみせた。
「よう、健彦」
健彦と呼ばれた男は琥珀の姿を見るや否や面倒臭そうな表情を遠慮もせずに表に出す。それほど琥珀と彼の仲は深いものなのだろう。
「おまえ、連絡も寄越さんで急に押し掛けてくるとはなあ」
「色々と立て込んでてね。わざわざお前の許可を貰ってる時間はなかったの」
短いやり取りを交わした後、健彦はふと目線を琥珀より下へ移す。馴染みのない格好、見覚えのない少女が彼女の後ろに隠れるようにして佇んでいたからだ。少女はおっかなびっくりした様子で健彦や周りの景色を見ていた。
健彦も少女をじろじろと見る中、白黒の女が姦しく琥珀へ挨拶をしてきた。その後ろには背の小さい猫目の少年の姿も見える。
「あっれー！ やっぱり琥珀さんじゃないですか！ どうしたんですか、急に？ 観光ですか？ 今朝は良い魚が大漁でしたからね、やっぱりここはお刺身にします？」
「七海と
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» ボードのほうに書き込ませて頂きました。ご確認をお願い致します。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
恋葉(プロフ) - こちらこそ、返信が遅くなってしまい、すみません…。 そこまでで大丈夫です！箇条書きで私以外の人も見ることができるのなら是非、箇条書きでお願いしたいです。私はこの作品を作る作者様が本当に素晴らしいと思います。この話をいつまでも応援させていただきますね！ (2019年12月6日 13時) (レス) id: 18327d4b2f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →箇条書きなどで簡潔に纏める程度、そして恋葉さんのボードに書き込む形でもよろしければ、是非書かせて頂ければと思います。 (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - →ここまでの話というのは15.5まででよろしいでしょうか？ 後日、夢主がこうなった経緯の何から何までを作中のキャラクターに説明させる予定なので、あまり細かい描写はお約束できませんが…→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 恋葉さん» 恋葉さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それから、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。 理解力が長けていないなんて、そのようなことはありません。自分でもすごく分かりづらい話を書いているなあと毎日思っています。→ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月11日 18時
