第122夜 船旅 ページ10
俺の名はアリババ・サルージャ。
現在、とある理由でアラジンたちと同じ船に乗っている。
だが、アラジンたちはそれを知らない。近頃みんなとは気まずかったせいもあり、俺は一緒に行くと言い出すタイミングを逃してしまったのだ。
そのせいで、今も俺はアラジンたちから隠れるようにコソコソとしている。
だが、これは仲直りのチャンス！俺はこの、アラジンたちが泊まる予定の部屋で待ち……
〜
ドアｶﾞﾁｬー
「ア、アリババくん！？ なんでここに！？」
「よっ……ま、ちょっと俺も決意したことがあってな！」
〜
このサプライズで仲直りも完ペキだ。
そしてベッドに腰掛けポーズを決め、待つ事十数分。しかし、あいつら遅いなぁ。
そう思っていると、聞き慣れた話し声。
来た。来た！ 俺はここだぞ、アラジン！
……ん？
話し声は俺がいる部屋の前を通り過ぎていく。不思議に思って息をひそめ、壁に耳を当ててみた。
「わ〜すてきなお部屋だね〜！ 僕、このハンモックで寝よーっと！」
「ハンモックか……なんか落ちそう……野宿でもないんだし、床で寝ようかな……」
「なんです琥珀、いつも空をびゅんびゅん飛んでるくせにハンモックは怖いのですか？」
「う、うるせえ！ 船はずっと揺れてるじゃん！ それとこれとは別問題なの！」
────きゃっきゃと楽しそうな声が聞こえて来る。いや、琥珀の言う通り、問題はそこじゃない。
部屋、間違えた────！！
どうする、どうする！？隣の部屋へ行くか？しかもあいつら、俺抜きの５人だけで楽しそうだ。なんで。
いや待てよ。もう少ししたら多分きっと………………
〜
「どうしたんですか、アラジン殿？」
「でも……何か物足りない気がしないかい？」
「……はい。実は私も」
「なぎさも……」
「……ア、アリババだよ！ あいつがいないとやっぱりダメなんだ！」
ﾄﾞｱｶﾞﾁｬｯ
「おいおい、おまえら情けねぇな！」
「ア、アリババくぅん！」
〜
そうしてアラジンは涙を流しながら俺の胸に飛び込み、モルジアナ達も歓喜に身を振るわせる……！
これだ！！
どうせあいつら、すぐに寂しがるに決まってるんだ！ それを待つ！ 焦らしてからの登場！
そう思い、タイミングを図っていたのだが。
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます！！！！ (2019年1月15日 16時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか？ (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年1月3日 0時
