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「そういえば、アリババさんは?」

 『ザガン』を攻略したメンツで、唯一アリババだけがこの場にいなかった。アラジンは少し寂しそうな顔で俯く。

「うん……近頃は、ほとんど口も聞いてくれないよ。もう、明後日は出発なのに」

 琥珀はくすりと笑ってアラジンの肩を叩く。

「そんなに心配しなくてもいいって! アリババなら大丈夫大丈夫!」

 何が楽しいのか、そのままころころと笑いながら部屋を出て行ってしまった。なぎさもその後をついて行く。
 部屋に残された三人は、何がなんだか分からないという表情で顔を見合わせていた。









 そして翌日。
 煌帝国の船は紅玉を乗せ、本国へ帰って行った。
 アリババは紅玉をとても親しげに見送ったが、アラジンたちとは相変わらず口を聞かなかった。その様子を見て、琥珀はまた声もなく笑っている。



 そしてさらに翌日。
 出発の日。

 港はさまざまな荷物がびっしりと詰めて置かれ、それが次々と船の中へ運び込まれて行く。人々の話し声が溢れていた。

「よしっ」

 アラジンは大きな鞄を両肩に掛け、荷物を再確認する。ヤムライハと話すその後ろではマスルールとモルジアナの姿も見えた。

「『奴 隷狩り』に気をつけろ。レームには『ファナリス』を奴 隷として扱うのに長けた連中が存在する。捕まるな」

「……はい」

 そのやり取りに、琥珀が思い切り割り込む。

「だーいじょうぶだって! モルジアナが奴 隷狩りになんて捕まるはずがないだろ! 盗賊団を一人で壊滅させたんだし、しかも今はそれより強いんだぞ!」

 まるで自分が育てたかのように自慢げに話す。モルジアナはどう反応すればいいのか困っていた。マスルールは若干目を逸らし、

「……皆が皆琥珀さんみたいな人間ってわけじゃないっすよ」

「ちょっと待て。その言葉には一体どういう意味が含まれているのかな! 私の目を見て答えろ!」

「ほら、もう出航前なんですからマスルールに掴み掛からない。悪気はないんですから」

「知ってるかジャーファル! 悪気のない悪っていうのは一番タチが悪いんだぞ!」

「大丈夫なのです、琥珀はとっても強いから他の人達と一緒にしないほうがいいという意味なのです。多分」

「な、なぎさ、お前……!」

 それは面倒臭い琥珀に適当にフォローをしただけだったのだが、案外彼女には効いたらしい。感動しながらなぎさを抱きしめる。

〃→←第121夜 出航



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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時

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