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「……アラジンと一緒にマグノシュタットへ行くのか」
二人の口論はそこで途切れる。琥珀はシンドバッドを見つめながら答えた。
「さあ、どうだろうな」
「じゃあなぜ急にここを出て行くと?」
「ん〜、旅行も兼ねて、ちょっと
「鬼倭ならシンドリアから直行便も出ている。わざわざアラジンたちの船に同乗しなくともいいだろう?」
「……あーっと、その前にちょっと、ミスタニアの方まで」
口籠るその様子に、シンドバッドは口を閉ざしている。それは琥珀を睨んでいるようにも取れた。
その表情を見て琥珀はジャーファルの方越しに口角を少し上げる。
「────なんだよシンドバッド、もしかして……
挑発でもするかのように。
シンドバッドはその表情を一層曇らせる。それを返答と取ったのか、琥珀はにっこりと笑った。
「じゃあそういうことで。邪魔したな」
両肩に置かれたジャーファルの手を丁寧にどかし、琥珀は足早に執務室を出て行ってしまった。
後に残されたジャーファルはぽかんとして抜け殻のようだ。
シンドバッドは唇を噛む。
琥珀はあの夜、ああ言った手前簡単に他の国に手を貸すような真似はしないだろう。
だが、そうなると尚更分からなくなってくる。
彼女の目的は、一体なんなんだ?
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時