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ページ30

モルジアナが叫ぶ。防御魔法が発動して直撃は免れたが、それでもあまりの衝撃を背中に受けたアラジンは前のめりになる。
 浮かんで移動しているせいで、靴が擦れるなどのわずかな音すら感じ取れない。白龍が降龍木蓮衝(ザウグ・モバレーゾ)で再び穴に入った彼らを追うが、捕まえるよりも早く横の道へ入られてしまった。

「こっちだよ!」

 白龍の後ろをとる。間一髪で避けることはできたが、その頬すれすれの部分を水が掠めた。
 その一団を仕留めようとアラジンが火球を飛ばすが、またすぐに穴に入られてしまった。そしてまた別の一団がアラジンの後ろから顔を出し、水の弾を撃ち出す。

「くそ、どこから来るんだよ!」

 まるでもぐら叩きだ。それも360度全方向にある。どこから出てどこに入るのかまったく見当もつかず、アリババは苛立ちと焦りから大声を出した。

 その瞬間、脇目も振らずモルジアナが走り出した。
 アリババの制止も聞かず、ほぼ垂直の壁を脚力だけで登り始める。

「へへ、楽勝だな!」

 何も知らぬ哀れな少年は笑った。はははは、とそれはもう愉快そうだ。
 ────その後ろから、彼女が近づいているのにも気付かずに。

 いいや、気付いた時にはもう遅かった。鍛え抜かれた彼女の一撃に玉は簡単に割れ、少年たちは気絶して地面に伸びている。
 モルジアナは周りを見渡す。ドーム型の小部屋のようなものには、至る所に大きな通路が空いている。これを移動して、それぞれの穴を行き来していたのだろう。
 そのとき、哀れな別の一団がこれまた何も知らずにモルジアナの近くを通り過ぎた。


 悲鳴しか聞こえてこない。壁から悲鳴がするというのはいかがなものだろうか。
 モルジアナが穴に入ってからというもの、彼らが攻撃を仕掛けてくることも穴からひょっこりと姿を現すこともない。
 中で何が起こっているのかなんとなく察しがつくが、アリババはあまり具体的には考えたくなかった。

〃→←〃



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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時

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