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彼らは信じられないといったような表情でアリババたちを眺める。どこからどう見ても、こんな子供たちの集まりがそんなことできるはずがないと思っていたが、アリババが先程海賊船を撃退ばかりだと言えば小さな歓声が上がった。
 その背中を見つめながら、アラジンはどこか誇らしげにアリババを見ていた。
 アリババの申し出を聞いた民衆達は光が差したような表情をしていたが、一転してその顔が曇った。

「あのう、ありがとうございます。しかし、国にも見放された我々です。助けて頂こうにも、お礼のお金もなく……」

 震える老婆の肩に、アリババは手を置いた。

「そんなの、いらねえよ!」

 人々は何度も頭を下げる。膝を折り、地に額まで付けている人もいた。
 アリババは感じていた。カシムが助けたかったのはこういう人だったんだろう、と。だから彼の分まで戦うつもりでいた。
 大きく息を吸い込む。

「よーし、『迷宮ザガン』攻略メンバーで、最後に一暴れしてやろうぜ!」

 ルフたちも祝福しているようだった。
 その先に、何があろうとも知らないで。









 大きな港を背にして、船が出航する。『大聖母』襲撃時の破損箇所も直した。準備万端だ。今から海賊のアジトへ乗り込むというのに、船長も大事な荷を取り戻す為だ、と快く船を貸してくれた。
 港を出て暫くすると、アラジンが手に持っていた赤い硝子玉のようなものが光り出した。

『アラジンくん大丈夫、ケガしてない!?』

『コラ、押すなヤムライハ!』

「大丈夫だよ〜ヤムさん!」

 『ルフの瞳』。ヤムライハがマグノシュタット在学中に考案した魔法道具。遠隔透視魔法によって大気中のルフを介し、情報を伝達して交信することができる優れもの。

 硝子玉を覗き込めば、シンドバッドを押しのけて手を振るヤムライハの姿が見えた。シンドバッドもさらに彼女を押しのけ、硝子玉の向こうのアリババと言葉を交わす。

『事情はわかった。シンドリアとしても、アクティアとの交易路を脅かされるわけにはいかんな。応援を出そうか?』

「いえ、俺たちだけで大丈夫です!」

『そうか、しかし気をつけろ。魔法道具は使い方によっては大きな脅威になるからな』

 そのシンドバッドの後ろではヤムライハとシャルルカンが争っていた。もう慣れた光景だ。顔が見切れているが、見覚えのある赤毛もちょこんと映り込んでいた。

〃→←〃



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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時

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