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「根に持っているのですか?」

「根に持っているのです」

「ごめんて、アリババくん」

 公開初日の出来事。アリババくんはモテないわあ、と(一部を除き)言われ続け、少なからず根に持っているようだった。なぎさもどこか冷めた瞳で見ている。

「でも、アリババ殿だけに戦わせるわけにはいきません。次は俺が頑張ります」

「できんのか?」

「なっ……!」

「まあまあまあまあ!」

 一触即発な二人を宥めるのは、もうアラジンの役目のようだ。すかさず白龍を落ち着かせに入る。
 そんなわいわいとした空気の中、モルジアナと琥珀だけは港のほうをじっと見つめていた。アリババが「二人共どうかしたのか?」と聞けば、モルジアナはさらに眉間の皺を深くし、目をこらす。

「いえ、港の様子が変なのです」

「モルさんにはこっから見えるの? 琥珀さんも?」

 アラジンは不思議そうに尋ねる。琥珀もほんの少し眉根を寄せて頷いた。

「うん。……なんか、燃えてる」


「すげーな、目ぇいいんだ、お姉さん達」


 声が聞こえた。船からではない。
 ────海。

「な、なんだ、ありゃあ?」

 アリババは驚き目を見開いて呟く。
 海中から現れたのは、泡のようなものだった。
 だが泡ではない。中には人が入っており、さらに浮いている。先程の声の主は彼だろう。右腕がフックのような義手の彼は冷たく船を見下ろしていた。

「飛んでる……『魔法』?」

 アラジンは落ち着いてそれを見つめる。
 その時、「ばあっ」と彼の後ろから子供が顔を出した。途端に彼の表情は冷たいものから、親愛を向ける兄のようなものになった。

「よしよし、ちょっと待ってろよ。すぐ終わるからな」

 幼い子供をあやすように何度かゆする。あまりにも異様な光景だった。

「おい、てめえら。
 これいい船だな。さぞかしいいもん積んでんだろ? 全部よこせよ」

 船を指差し、当たり前のことのようにそう言った。勿論船に同乗していた兵達は槍を向け、敵意を露わにする。

「なっ、何を言ってるんだ、何者だお前!?」

「……俺か?俺たち(・・)は……」

 少年がフックの腕を持ち上げる。
 船が揺れた。
 彼の入っているものとは比べ物にならないほどの大きさ。船一隻を丸々包み込む球体が2つ姿を現した。それは海水を滴らせて、アラジンたちの乗る船を見下ろす。

「『海賊』だよ!」

〃→←第123夜 海賊



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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時

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