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「そんな!モルジアナ殿の隣なんて、俺は……」

「いいじゃないか、ねぇ? モルさん」

「はい、構いません」

「ねえこれ大丈夫? 本当に落ちない? 私寝相悪いんだけど大丈夫? 船って揺れるじゃん? やめてほしい」

「そんなにビビるから怖いのです、別に落ちても死なないのです。というか船が揺れる点に関してどこまで気にするのですか」

 キャッキャウフフと楽しそうな声が脳内でこだまする。いや、ウフフじゃねーよ!
 畜生、俺抜きで楽しみやがって!

「でも、何か物足りない気がしないかい?」

「はい、私もさっきから……」

 来た、ついに来た!

「……『ア』……!」


 ナイス白龍、その次は『リ』────!



「『あさごはん』ですよ!俺、作ってきたんですよ。どうぞ!」

 小さな歓声が上がった。いや何がワーイだよ!くそう白龍どんだけ美味そうな朝飯作ってきやがったんだ!!
 飲み物を用意するような音も聞こえてきた。あいつら、俺のことなんてすっかり忘れてる……?

「あっ、でも……そういえば、正直みなさんは『あの人』のことをどう思っているんですか?」

「『あの人』?って誰だい?」

「そりゃあもちろん、アリババ殿のことですよ!」

 忘れられてなかった!
 そりゃあそうだよなあ、アラジンなんて俺の事大好きとか言ってくれたもんなあ! 良い評価を聞かせてくれるはずだ!

「ああ、アリババくん……ねぇ」

 えっ?
 何? アラジン、その気のない返事……
 ドキドキとしながらも、まだ物音も立てずに薄い壁に耳をつける。

「アラジン殿は、正直かなりのアリババ殿びいきできたよね?」

「そうかなぁ?
 まあ、僕が地上に出て、ほぼ最初に会った人だから……なんとなくねぇ」


 えっ、そうなの!!?
 『君は王になるだろう』とか『僕は君が大好きなんだ!』とかあれはなんだったの!? 俺を王の器と見込んでのことじゃなかったの!? あれ先着順だったの!? じゃあもしかして場合によれば琥珀がああ言われてたってことなの!?

「でも、こう長く付き合ってみると、色々と……見えてくるものもあるというか」

「と、いうと?」

「うん、アリババくんはねえ……」

 アラジンは意味ありげな溜め息を漏らす。何を言うつもりなんだ。

「なんていうか、モテないんだ。
 だからかもしれないけど、僕がきれいなおねいさんと仲良くしていると、いつも物欲しげな目でこちらをじっと見ているんだ。恨みがましそうに、指を咥えて」

〃→←第122夜 船旅



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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» ありがとうございます慈悲をありがとうございます 次の説明欄にて書かせて頂きます!!!! (2019年1月15日 16時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - そろそろ14巻に突入なので質問コーナーに出没してみようかと えっと、琥珀姉さんの設定において企画段階と現在で 何か変更した点はありますか? (2019年1月15日 11時) (レス) id: 9020e988e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2019年1月3日 0時

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