〃 ページ6
「なんだ！？」
アリババが声をあげた。突然、光るツタのような物体が伸びて来たからだ。
それは六人を取り囲むように動いている。しかもそのうちの一つがアラジンの体に巻き付き、
「アラジンっ！！？」
アリババがアラジンの手を取ろうとするが、抗う間もなく引っ張られた。このツタは意志を持っている。さらに残された五人の体にも一本ずつ巻き付く。
「うっ！？」
「なんだぁ！？」
「うおっ」
「きゃっ！？」
巻き付けられた圧迫感もある上、すごいスピードで持ち上げられていく。
この体が引っ張られる感じには覚えがあった。
「────『迷宮の聖門』！」
◇
目が醒める。目の前には赤い渦。何回目の光景だろうか、内心ぼやいた。
あたりを見回すが、今回は一人のようだった。
……いや、もう一人いる。私の視界の端、部屋の隅っこにうずくまる
「やる気出ないわ〜……」
めんどくさいから放っておこうと思って距離を取る。だが、すぐに”毛玉”は起き上がって私の足にしがみついた。
「ちょっと待ってよぉ！どうして無視するのぉ！？」
◇
ゴウンゴウンという音だけが響く。
こんなに時間がかかるものだったか。頭を抱えた。目の前の『ジン』はふさふさとした尻尾を前に抱きかかえ、頭から生えている耳はしょぼくれている。
「私という、アンドロマリウスという、超絶最強超絶美人超カッコイイ『ジン』がありながら……ついでにアイムとフルカスもいながら……またさらに浮気しようっていうの！？」
「付き合ってないし、夫婦ですらないよな、私達」
溜め息をつきながら前のことを思い出す。確か前はフルカス、その前はアイム、さらにその前もアイムだったような────と考えていたら、またアンドロマリウスの声が響いた。
「私は、あなたの思想に惚れてあなたの『ジン』になったんだよ。多分、アイムとフルカスも同じだよ。
なんかよく分かんない体のつくりをしていても、魔導士みたいな何かでも、琥珀のことが何にも分からなくても。琥珀は力で無理矢理従わせたと思ってるかもしれないけど、仮にそうでも、あなたと戦ってるうちに、これも悪くないかもって、思って来たりもしたし……」
「────ア、アンドロマリウス、その……」
ごめん、と言いかけた時。
「……まあ正直私一人で事足りると思うけど」
「分かった。一瞬でも申し訳ないと思った私が馬鹿だった」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます！！ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます！ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無しさん | 作成日時：2018年9月15日 22時
