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あの威圧感のある大きい図体でもなく、厭らしい笑みを浮かべる顔でもない。本当に小さな、下手したら赤子レベルのサイズになったザガンがそこに立っていた。
そして後に続いて、トランの少女も大きな目に涙を浮かべながら出てきた。アリババに剣を向けられたザガンは両手を突き出しながら抗議する。
「待て待て！その子はもう返すってば〜！
僕で最後の『花』なんだよ！もうなんの力も残ってないんだ！」
「『花』ぁ？」
アリババに剣を向けられたまま、その『花』は悪戯がバレた子供のように話し始めた。
「『マギ』の言う通りさ、僕らは『ジン』じゃない。ザガンが彼に似せて作った、ただの迷宮生物だよ。それが、本体の手を離れてちょっといたずらしてただけじゃないか」
「いたずらだと！？ふざけるな！村の人たちを元に戻せ！そして、全員を今すぐここから出してくれ！」
「そ、それができるのは本体だけだってば〜！
『本体』は『宝物庫』にいる！『宝物庫』に行けば本物のザガンが村人の魔法を解くし、全員外に出すよ！」
「必ずか？」
「必ずだ」と『花』は頷いた。へそに繋がった茎のようなものを指差しながら、「『本体』と話をつけてきたよ」と付け足す。
とにかく安全は保証されたようだった。アリババは安堵の溜め息をつく。トラン語で少女に現状を教えながら、剣を鞘にしまう。
「た、助かった。『宝物庫』への道は教えてやるからさぁ……」
『花』は懇切丁寧に道順を教える。
そして、その様子を見る影が三つ。そのうちの一つが、杖を持った手をクイと動かした。
「────わかった？これで『宝物庫』へ行けるはずだよ！」
『花』がそう言った瞬間、その頭は弾け飛んだ。
「なっ……！？」
まるで風船が割れたような軽い破裂音。地面が突如変形して槍のように鋭くなったのだ。それは首と頭を切り離し、下顎も弾けさせた。さっきまで『花』だったものの体や目玉が地面に音を立てて落ちた。
「ザガン！！？なんだこれ、なんで！？」
「────はっ！！」
アラジンは何かに気付いたように振り向いた。そこには三つの影。そして、黒いルフ。
「……みんな、急いで『宝物庫』へ。『彼ら』に先を越されちゃダメだ！！」
急に雰囲気の変わるアラジンに、アリババは驚きを隠せない。だがそれとこれとは別だ。アラジンがそこまでして言うのだから、そうしなければいけないはず。
「行こう！！」
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます！！ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます！ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2018年9月15日 22時
