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「白龍さん、今のは!?」
「自分の
「気?体内の力?そうか、あれは!
ザガンは顔をしかめる。魔力操作ができる人間はごくわずかだ。しかも武器を魔力で覆って強化するなんて芸当をするということは────
「ただ者じゃないってことね。でも、いつまで持つかな?」
モルジアナと白龍は顔を上げる。少なくとも視界に入っている彫像すべてが動き出していた。
◇
「アモンの剣!!」
ゴーレムは簡単に焼き切られる。輪切りにされた胴体は地面を転がり、もう動かない。
「こいつら硬いけど、アモンの剣に切れねーもんはねーぜ!」
「けどモルさんたちは!?」
「こんなのとどうやって戦ってるんだ!!?」
◇
白龍の息は荒くなっていく。流れの早くなる血は血管を破り、喉を逆流し、血が流れ落ちて行く。
その様を見てザガンは楽しそうに笑った。
「ほぅら疲れてきた!
魔力操作は自分の命を削る技。そのままずっと使い続けてごらんよ、君の寿命が尽きるほうが早いよ!」
「なんですって!?」
モルジアナは驚いて顔をあげる。
白龍も『魔力操作』を使っている以上、そんなことは分かっているはずだった。それでも手を止めない。魔力を使い続ける。
そんなよそ見をしているモルジアナに、二体のゴーレムは腕を振り上げた。彼女は間一髪で伏せて躱す。
モルジアナが躱したと同時に二体のゴーレムは互いの頭をぶつけた。その衝突した箇所、ほんの少しだが、ヒビが走っていた。
「白龍さんっ!一旦退きましょう。少し作戦を思いついたんです!このままあなたの命を削るよりも……」
モルジアナは手を伸ばす。その白い手を、白龍は断るように振り払った。
「構わない」
「えっ?」
「命が少し縮まるぐらい、他人に助けられるよりましだ。頼むからもう放っといてくれないか!」
それぞれ違う色の双眸がモルジアナを睨む。その顔は血管が浮き出て、血だらけだった。
「あ、あなた、何を言ってるの!?」
制止も聞かず、白龍はゴーレムたちに向き直る。
「この『迷宮攻略』は俺の使命を達成するのに必要だからで、その使命は、俺だけが背負うべき責務で、君には関係ない」
「関係なくなんか!」
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます!!ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます!ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...! (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しさん | 作成日時:2018年9月15日 22時