第94夜 あなたの力 ページ24
静かな通路を歩く。
モルジアナの裸足のぺたぺたとした音と、白龍の靴のカツン、カツンと鳴る音だけが響く。
「……あの、他のお二人はどうしているでしょうね」
白龍に話しかけられたのに気付いて、モルジアナは顔をあげた。
「ハイ」
返事をしてみたが、モルジアナの中では『どうしてこの組み合わせにされたのか』という疑問が渦巻いていた。
ザガンは組み合わせを好き勝手に決めてしまった。琥珀のなぎさの組み合わせならなんとなく納得できないこともないが、残りの四人の中でなぜこうなったのかが分からなかった。
「戦力分散か、ちょうど良かった」
「え？」
「これでいらぬ助けを借りずに済みます。あなたも俺のことは気にせず、どうがご自分の身だけを案じてください」
白龍の言葉にムッとする。なぜこんなに、頑に助けを拒むのか。モルジアナにはそれが理解できない。
でも、誰かと前にもこんな会話をしたような気がする。気がするのに、思い出せない。
「んっ？」
道の傍らに置いてあった石像がゴソゴソと動いたように思えて、二人して声を出した。
……いや、思えて、ではない。
石像は本当に動き出した。軋んだ音を立てながら、台座から降りて来たのだ。
一方、アリババ&アラジンチーム。
ここの二人も動き出す像を目の当たりにしていた。
「彫像が動いた！」
「今度の敵は岩の巨人ってわけかよ！」
それぞれ杖と剣を構える。
「琥珀さんたち……は大丈夫だろうけど、モルさんたちは大丈夫かな？」
「大丈夫だろ！モルジアナの蹴りなら、どんな敵でも一撃だ！」
そう容易くはなかった。
「ぐうっ！」
「ハハハ無駄無駄！そんな蹴り全然効かないよ〜！」
モルジアナの脛や膝は痣と血にまみれていた。何度蹴っても傷一つ与えられない。
「彼は僕の作ったゴーレムくんさ！とっても硬い特殊な鉱物から作ったから、体がめちゃくちゃ頑丈なんだ〜！
何かの魔法なら効くかもしれないけど、見たところ君たち二人は魔法が使えないようだし、どうやってやられちゃうか楽しみだなぁ！」
槍を持ったゴーレムがモルジアナに襲いかかる。
その後ろで、白龍は偃月刀を握る手に力を込めた。
やがてその手には光が灯り、柄を流れて刃に流れる。
そして、一撃。
「わ、割れた！？」
「なんだ、あの技は……」
モルジアナの蹴りが通用しなかったゴーレムの腹には、大きな穴が開いている。
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます！！ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます！ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2018年9月15日 22時
