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「だから示談でいいって言ってるじゃん!」
?「だから触ってないと言ってるんだ!証拠も無いのに払うわけがないだろ!」
とにかく早く、いくらでもいいから貰って帰りたかった
いや、帰りたくはないんだけど帰らなきゃいけなかった
そうやって焦ってた最中
コンコン
とノックが響いて
風「あ、降谷さん!」
「っ......!?」
開いたドアから入って来たのは、金髪に色黒でインパクトが強過ぎた男の人
この時はその衝撃が強過ぎて"降谷さん"って言葉に全然気付いてなかったけど
風「もう助けて下さい!絶対に触ってな
降「いくら欲しいのかな?」
「っ、え.......あ.......別に........5万くらい」
降「分かった」
風「え!?あげちゃうんですか!?え!?」
降「どうぞ」
そしてすっと差し出されるようにテーブルに置かれた諭吉5人
それだけだった
たった2分くらいの初対面
まだギャーギャー騒ぐオッサンを連れて、"ご迷惑をおかけしました"って淡白に去って行ったその男が.......
変なの
どうしても気になっちゃってさ
制服を整えて、優等生の姿で開く玄関
「ただいま」
母「あ、おかえり!勉強どうだった?」
「順調だよ、ありがとう」
ローファーを脱いで、階段を上がって、5万が入ったブレザーのポケットに手を突っ込みながら目指す自分の部屋
母「何か食べる?夕飯の残りあるわよ」
「ううん、大丈夫。もしお腹空いたら自分で用意するから」
母「そう?じゃあ課題頑張ってね」
「うん、ありがとうお母さん」
部屋のドアを閉めて確認した時間はちょうど11時
一人になった途端思わずため息が漏れる
......これから課題だって
お母さんは今まで自習して来たと思ってるのに
とりあえず着替える前に5万円を取り出して、去年の化学の教科書の間に挟んで
.......あの人........
.......名前聞いとけば良かった
もう一回会えないかな.........
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作者名:∂ | 作成日時:2022年9月4日 19時