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安「ちゃんと食べないと力が付きませんよ」

「..........」





必死に酸素を求めるように心臓が脈打ってるのが分かる

死にたくない
怖い
逃げられない

どうしてよりにもよって組織の人に.......

逃げる前よりもずっと恐ろしい状況に陥ってしまった現実に震えが止まらなくて





安「組織はあなたを処分すると決めました」

「っ.......!」

安「見つけ次第殺せとの命令です」




カツっとプラスチックが当たる音の後に、ドロドロ液体が落ちる音が繰り返される病室
それだけ言ったらかなり気色悪いけど、昨日とは逆にお粥を冷ましてくれてるだけ

使い捨てのスプーンで中身を掬っては空気に触れさせるようにまた落として行く

毒でも入れられてないか気になって見つめるその手つきだけでも.......





安「言ったはずですよ、あなたを組織に引き渡すつもりは無いと。"良い子"でいてくれれば殺しもしません。毒も盛りません」

「........」

安「まぁ、盛るとしたら睡眠薬でしょう。よく眠れなかったようですからね。しっかり休むようにと言ったのに残念です。はい、どうぞ」





そう差し出された湯気が立ち込めるお粥

箸じゃないんだしスプーンなら利き手じゃなくても使えるでしょ、って思うでしょ?
私もそう思ったよ

でもそれは全身を満足に動かせる時に限った話だった

もう片方の手で器を支えたり
食べやすい体勢に体を曲げたり
健康体ならそれが出来るけど.......

私の場合は服を汚していくだけ





「........食べなかったら殺すんですか」





って聞いたら、ふっと良い人そうな笑顔を浮かべて





安「それで食べてくれるならそうしましょう」

「.........」





.......美味しくない以上に不味く感じる

この人は何がしたいの......?
分かりやすく悪だったジンさん達よりずっと怖い

距離感がよく分からないし、組織の命令に逆らってるのも全く意味が分からない
私に何を望んでるのかも
なんでこうしてある意味気にかけてくれてるのかも

その穏やかそうな表情の奥に何を隠してるのか





安「随分と美味しくなさそうに食べますね........何かリクエストでもありますか?病院側に掛け合ってみますよ」

「........別に、大丈夫です」

安「.......なるほど。美味しくないのは僕が居るからですね」

「っ、いや!そういうわけじゃ

安「いいんですよ、正直になってくれて。むしろ今、僕以外に正直になれる人がいますか?」




もう......

.....いないよ
いるわけがない

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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ポニー - 怖い安室さんが大好きです!続き楽しみにしてます! (6月16日 22時) (レス) id: ff115e8795 (このIDを非表示/違反報告)
ユピナ(プロフ) - 読んでいるこっちまでドキドキしてきます、、!あまり怖いバーボンのお話に出会わなかったのですが夢主ちゃんと降谷さんのやり取りが面白くて本作品が大好きです!これからも応援してます(p*・ω・)p (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 85655890c9 (このIDを非表示/違反報告)
あ5 - 表現がすごく好きでドキドキ感がすごく伝わってきて面白いです‼︎更新楽しみにしてます(^○^) (2022年11月2日 22時) (レス) @page38 id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 安室さんが怖いのは予想外だったけど、次回作楽しみにしています!頑張ってください! (2022年10月12日 17時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!安室さんの怖い姿にドキドキしながらも楽しく読ませていただきました(*^^*)控えめに言って凄く好みです╰(*´︶`*)╯♡続きを心から待っています! (2022年10月11日 15時) (レス) @page38 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月3日 2時

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