黒い車から逃げて白い車に轢かれたら【降谷零/安室透】

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まぁ予想はしていた

わがままになってくれと言っても、遠慮なくと言っても

きっと何も話してくれないと


だから






「............」

安「.......、入ってみますか？」

「.......はい」





注意深く観察し、ちょっとした変化や素振りを見抜かなければならない

瞳孔の開き、指先の動き
全てに神経を尖らせて





店「いらっしゃいませー！ただ今店内全品最大で40%オフセール中でーす！」

安「では、脱ぎ着しやすいワンピースから見てみましょうか」

「.........はい」





彼女から信用を得る為の材料を探す

オープンクローゼットのように並ぶ商品の間をゆっくり押す車椅子
女性物の衣服ばかりが並ぶ


実の話、彼女を"潜入捜査の踏み台"にしたくなかったのはその驚くべき活気だった


簡単に飲み込んでしまっているが、10代の子が平凡だった日常から一変、全てを失い殺しとまでいった犯罪をしなければならなくなったんだ
それこそ、とっくに心が壊れ生きる気力を失っていてもおかしくない


なのに組織から逃げ出せた
なのに見ず知らずの僕に逃げろと言えた


しかし、酷く感心していたはずのその様子を、今では彼女に見れなくなってしまった事が.........これ以上に無い罪






安「シンプルなデザインがお好きですか？」

「........は、はい.......」





少し興味を示したマネキンが着ている物と同じ物を横のラックからハンガーごと取り出し、大きな鏡の前に車椅子を移動させる

自宅なら好きなだけ時間を使って着替える練習をさせてあげられるが、ここでは無理がある

その為ハンガーを彼女の左手に渡して、





「ぁ.........」




ワンピースの長い生地を膝元整えてあげて

表情の変化を鏡越しに探る






・





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怖い
どう考えても買い過ぎだよね.......？

後でこの分を何かで請求されそうで........


下着や外着の服だけで紙袋5つ分
その他に外出用のバッグ、靴、化粧品、それから今初期設定をさせられてるのはノートパソコン.......


安室さんはタブレット端末と悩んでたけど、結局"スマホはあるし今後レポートなんか書く機会があったらパソコンの方が良い"ってこれに.......


そんな安室さんは今




安「ここでどう思いますか？」




特別大きくも小さくもないテレビを寝室に




ハ「アン！」

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