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「ごめんなさい.......ごめ.....ぅっ.....なさい......めんなさい.......」
安「いいですか?僕は現在組織の命令に逆らっている立場です。あなたは見つかれば即刻抹殺、僕もあなたを匿っていると知られたら同じ結果でしょう」
「......は、い.......ごめんなさい.......」
安「つまりあなたがこの部屋を出る際には細心の注意を払わなければなりません。もし先程扉を開けて出た先にタイミング悪くジンがいたら、僕達は二人してあの世行きです」
「はい.....ぅっ.....ぁ......ごめんなさい......ごめん.....っ、さい.......」
片脚でバランスを崩しそうになった身体を、腰で支えられて
手はぎゅっとドアノブに押されたまま
恐怖と後悔と涙でぐちゃぐちゃになりながら
安「事故に関しては本当に申し訳なく思っています。あなたの回復の為なら何だってするつもりです。しかしそれを差し引いても、僕達の衝突は不運だったとしか言いようがありません」
「うぅっ......はい.......」
安「あの時あなたを殺さない選択をした瞬間から、Aさんの死は僕の死をも意味するんです。分かりますか?」
「はい.......ごめんなさい.......っ.......」
抱き込まれてる形で身を任せる以外何も出来ない
後ろではフローリングに爪が当たる音を時々響かせてる犬の気配
もう何も考えられなかった
首元にかかった深い深い溜息すら恐ろしくて
自業自得だけど、今度こそ殺されるんだと、
「うっ......ごめんなさい.......本当に、っ、ごめ.....さい......」
安「もう泣かないで下さい。ここを出ては行けないと言わなかった僕にも非はあります。申し訳ありませんでした」
「ふっ......うぅ.......ごめんなさい.......」
安「大丈夫です、まずは戻りましょう。その後にお茶でもどうですか?」
「っ、あ.......」
思ったんだけど.......
予想に反して宙に浮いた体は、ただ再びベッドに戻されただけ
・
安「どうぞ」
「.........」
渡されたマグカップからは少し独特な匂いと湯気
安「梅昆布茶です。カフェインを含んでいないので睡眠を邪魔しませんし、疲労回復といった効果もあるんです。気に入って頂けたら嬉しいですね」
「..........」
梅昆布茶........
安「睡眠薬も混ぜた方が良かったですか?」
「っ、いえ.......」
まだ乾かない涙で鼻を啜りながら、覚悟を決めて口を付けるお茶
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ポニー - 怖い安室さんが大好きです!続き楽しみにしてます! (6月16日 22時) (レス) id: ff115e8795 (このIDを非表示/違反報告)
ユピナ(プロフ) - 読んでいるこっちまでドキドキしてきます、、!あまり怖いバーボンのお話に出会わなかったのですが夢主ちゃんと降谷さんのやり取りが面白くて本作品が大好きです!これからも応援してます(p*・ω・)p (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 85655890c9 (このIDを非表示/違反報告)
あ5 - 表現がすごく好きでドキドキ感がすごく伝わってきて面白いです‼︎更新楽しみにしてます(^○^) (2022年11月2日 22時) (レス) @page38 id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 安室さんが怖いのは予想外だったけど、次回作楽しみにしています!頑張ってください! (2022年10月12日 17時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!安室さんの怖い姿にドキドキしながらも楽しく読ませていただきました(*^^*)控えめに言って凄く好みです╰(*´︶`*)╯♡続きを心から待っています! (2022年10月11日 15時) (レス) @page38 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∂ | 作成日時:2022年8月3日 2時