黒い車から逃げて白い車に轢かれたら【降谷零/安室透】

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あぁ....

痛い.......？


接着剤でも付いてたみたいなまつ毛を上下引き離して開けた目

真っ白な天井と色味の無い匂い

それが





「.......病院」





だと気付くには時間はかからなかった

分厚いカーテンが締め切られてて今が朝か夜かは分からない
まるで感覚が無いように腕は動かないし、脚も思うようには.......



何があったんだっけ......？



ズキズキに飲み込まれそうになる頭を回しながら



.........、

確か昨日の夜は

ジンさん達から逃げ出して、
良く分からない道をただただ走って、
それでもあの車の音が消えなくて、

右も左も見ずに走って走って走ったら





「...........っ！！」





誰か





「だ、誰かいませんか！！」





ナースコールのボタンなんて思い付いてても押せなかったと思う身体で精一杯、起き上がろうとしてみたけど





「.......あの！！誰か

公「ああダメですよ！」





ガラガラって勢い良く開いた扉から入って来た男性の看護師さんに止められてしまう

それでも早く聞かなきゃいけなかった
だってあの時確かにジンさん達は近くに




公「まだ動かないで下さい！何か必要なら僕が取って

「あの人！えっと、私、車に轢かれたと思うんですけど、その運転してた人ってどうなりましたか！？」

公「金髪の男性の事でしたら後でお見舞いに来ると

「ぶ、無事なんですか！？」





組織に知られたらきっと見逃してはくれない
一般市民だろうと容赦なんてしない人達だから

この病院だってすぐに嗅ぎ付けられて、
私がいきなり道路に飛び出したが為にあの人が犠牲になるのは絶対に嫌





なんて思う必要も無かったのに気付いたのはもう少し後の事




だからまだ、巻き込んじゃいけないって考えるのに必死で





「ダメです！警察にも言いませんし、慰謝料とかも請求しないので絶対にここに来ないでと伝えて下さい！私も早くここから

公「ああ落ち着いて！何箇所か骨折してるんです。今は無理をしてはいけません。さあ横になって」





・




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風「目を覚ましたそうです」

降「......そうか」




降谷さんの推測通り、少女に近しい身寄りは居なかった

詳細はまた後程語るとして、今はこちらの身分を明かすかどうかが最重要議題
病院側に負担をかけないよう、公安から1名看護師に扮させて少女と実際の医療チームの仲介を担ってもらっているが......




降「組織から招集がかかった」

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