黒い車から逃げて白い車に轢かれたら【降谷零/安室透】

2 ページ2

赤井秀一捜査官の件で、多かれ少なかれ憔悴しているだろう上司を"お休みになってください"と帰してから30分と経たないうちに

突然、救急を指定した路地に用意しろとの指示


訳も分からずとりあえず従うしかないとし、手配した救急と共に路地で待つ事数分


聞き慣れたエンジン音と見慣れた白い車体が目の前で停止すると、





救「血圧低下！呼吸はーーーー」

救「受け入れ先の病院が決まりました！同乗される方は！」





何故か見るからに意識の無い若い女性を抱えて救急にまっしぐらに向かった上司


誰だ？
何故意識が無いんだ？
何故こんな真新しい目立った外傷が身体のあちこちに？
そもそも降谷さんとどんな関係が？


と聞きたい事が尽きない中





降「君も来るんだ！」

風「えっ、じ、自分もですか！？」





絶大な場違い感が漂う救急車に乗せられてしまった


救急隊員は少女の救命に必死で、この車両のサイレンと"道を開けて下さい"とのアナウンスが外から聞こえて来る
降谷さんはと言うと救命に手を貸しつつ、その表情は困惑



全く、何をどこから踏み込めばいいのか



指示を待つだけの部下じゃいけないとは思うものの、あまりにもイレギュラー過ぎる事態
公安という身分から、素性の知らない人間相手じゃ尚更動きにくい


結局、緊迫感に緊迫感が重なったような車内で一言も発せずにいると再び車の扉が開き、





看「こちらへ！オペの準備は出来てます！」




ここでやっとこの少女は手術を受けるのだと知った

そんなに重症なのか.......
家族には連絡しなくてもいいんだろうか？
いや、そもそも何故降谷さんが？

ドラマで見たようなストレッチャーを走りながら押すシーンではそんな事を考えていたが、お決まりの"手術中"ランプが光ってやっと口に出来たのは




風「.......な、何かお飲み物でも

降「僕が彼女を轢いた」

風「.......ん？」

降「まぁ、轢いたというより正しくは撥ねたんだが、君には手術が終わる前に彼女の身元を特定してもらいたい」

風「........えぇっと.....その........」

降「いないとは思うが、万が一親族を見つけても連絡はするな。この病院での記録含め、事故全体を隠蔽処理しろ」

風「.......？」

降「.......組織に追われていたんだ、僕じゃなくあの子が」





ちょっと何言ってるか分からない





・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ウ「兄貴......見つかりませんぜ......」

ジ「........」

3→←1 衝突事故

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す