共犯者に恋をしてはいけません9【安室透/降谷零】

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でも





降「あっ、おい」





それでもやっぱり





降「そんなすぐに戻らなくてもいいだろ」





どうしてもやっぱり怖かった




久々なはずなのに、初めての感覚
皆口を揃えて"気持ちいい"なんて言うけどそうじゃなくて、温かかったっていうか

こういう気持ちはもう、一生体験出来ない物だと思ってたから.......



4年前の今日にこうなっててもおかしくなかったなんてね


熱りが冷める間も無く立ち上がって、向かいの自分のベッドに素早く入る

ついにこうなってしまった初恋の人の声が背中に





「別に言うこと無いし、そっちこそ賢者タイム浸ってれば」

降「感想の一つくらい聞かせてくれてもいいだろ」

「......、あぁ、デカい方だと思うから自信持ちなよ」





夏なのに
布団を思いきり頭まで被って

重い溜息を後ろから吹きかけられる



最初の話に戻るけど、きっと今日は眠れはしない



怖い
寝てしまったら本当に全て嘘になって、あの地獄だった日々に戻ってるんじゃないかって

いわゆる夢落ちってやつ





「でも、擦ってりゃ何でも気持ちいい男と違って、.......女の子は気持ちが大事だっていうのは本当らしいよ」

降「........もう少し分かりやすく褒めて欲し

「いいから早く寝るなり仕事の準備なりしなよ、明日私より早いんでしょ」


　




もう本当に怖かったの
泣きそうなくらい

さっきまで優しい温もりの中、
私が散々経験して来た女の苦労はさせたくないから男の子がいいとか、
最初の言葉は絶対"ママ"だとか、

そんな事を言い合ったり、ただ妄想してたりしてたのに


　


夜が更けていくだけの今
ただ恐怖と孤独感に支配されて行く


　


急にハロの重みを感じても、それすら幻だと思ってしまうくらい不安だった


　

寝たら終わるかも

目が覚めたらきっと

だって私に幸せなんか来るわけ





無いと思ってたから、


　
　





「..........」

降「おはよう」

ハ「ハァッハァッ」





布団の中にまで漂って来たおいしそうな匂いに、

泣いちゃった




わざわざ仕事をズラしてくれたのもそうだけど

アレの後で寝て、次起きた時に
その相手の顔を見れた事なんて無かったから





「.......もう.......」





こんな幸せで良いのかなって




「.......今日、お弁当がいい」




何でこんなにしてくれるのか分かんないけど、
もう疲れた

ただ受け入れたい

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