共犯者に恋をしてはいけません7【安室透/降谷零】

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そんなこんなで、世は夏休みに浮かれる学生が蔓延っている時期




「あ、受かった」




府中免許センターで、少女の抑揚の無い声を聞いて漏れる溜息

本当に受かるのか.......



免許取得には教習所へ通っても通常2ヶ月はかかり、合宿でも半月を要する

2週間以上外で寝泊まりするのに通用しそうな言い訳を思いつかず、降谷さんにバレない為には......と頭を悩ませていた少女にしてしまった提案


一発試験


知らない人はネットで調べてもらえれば分かるんだが、教習所に通わずに免許を取得出来るシステムだ


もう......一度言ってしまったものは仕方ない


自分の言葉を後悔しながら、警視庁が管理する白バイ訓練所にて普通自動車の運転を教えてしまった
思いっきり違法作業である

人生で女子高生が運転する助手席に乗る時が来るとは思わなかったぞ


はぁ......だが少女の飲み込みは確かに早く、愛車を傷付けることなく終えられたことには感謝したい

例のキッド捕獲案件後、沖野ヨーコのグッズやDVDが上司から送られて来たのはこの少女が降谷さんに頼んだから、らしいし......


それでも本当にこんな事......降谷さんに知られたらどうなるか想像しただけでも恐ろし過ぎるぞ





風「よ、良かったな......」

「で、免許持ってるだけでいいんでしょ？別に車買わなくても」

風「......まだ間に合う、今からでも大学受験へ切り替えれば充分合格は

「しつこい」





もういっそ警察官採用試験に裏から手を回して少女を落としてもらおうか

降谷さんが1年前に見逃した万引きはもちろんの事、その他軽犯罪はいくらでも偽造出来るし、単に一次試験で不合格とすれば気付かれる事も.......





風「.........」





呼ばれるまでの合間時間

トートバッグの中から少女が取り出したのは、"高卒警察官採用試験過去問題集"と表紙に書かれたもの

付箋やら何やら、随分使い込まれたような.......




「......なに」

風「い、いや！何でも.......」




東都大を目指せるくらいの学力だ
高卒警察官採用の教養試験は容易いものだろうに......

そこまで.......なのか.......？

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