共犯者に恋をしてはいけません7【安室透/降谷零】

318 ページ18

ほーら

思った通りだ


この文句しか言わない少女がこんな事で喜ぶはずがない


我々が宅配で用意した食べ物に"別に美味しくはない"とケチを付け、
"小学生じゃないんだから学年が変わるくらいでパーティーしない"だとか、
"そもそも加齢臭臭いおじさん達に囲まれて嬉しいわけない"とも

口を開けばクレーム



そんなどちらかといえば高圧的な態度に、我々はどんな顔をしたらいいのかも分からない中





降「すまないな、作る時間が無かったんだ」

「なっ、作って欲しいなんて言ってないでしょ！」

降「じゃあいいのか？帰ったら夜食代わりにつまみでも作ろうと思ってたんだが」

「......勝手にすれば」

降「全く、そこは開き直るところだろ？今日は一段と可愛くないな」

「っ、あんたに

降「そんなに寂しかったか？」

「違う！！」





......こっちも相変わらずと言うべきか

元々、厳しくはあるものの部下思いなのも見て取れる方だった
任務に成功した時は飲みに連れて行って下さったり、食事を奢ってくれたり

決して生真面目過ぎるお堅い性格では無かったのだが、ここまで砕けていわゆる"おふざけ"を含ませた態度は......


ご友人であった諸伏刑事が殉職した以来は、あの少女が初だろう


普段は真剣な会議に使われる部屋で、充満するビールやらチーズやらの匂い

その一番先にはワンちゃんと共に、ある意味仲睦まじい姿を見せるお二人


本当に一体どこまで.......





降「はい、プレゼント」

「......は、なんで」

降「この間のご褒美だよ、進級祝いはまた今度準備する」

「だから要らないって

降「"ありがとう"と素直に受け取るのがコツだぞ」

「んもう！！」





外から見てる者とすれば、いい加減少女には礼儀や恩というものを見せて欲しい

ここまで世話をしてやっているのに、いつもキモいだの頭おかしいだの好き放題
それをただ笑って見過ごす上司......

降谷さんが甘やかすから調子に乗って、いずれその降谷さんが損を被ったら......





　



　


なんて、上司に付けられた首輪型爆弾を外すという重大任務に就いた頃まではまだ心配していた

まぁまだもう少し先の話だが

319→←317

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す