共犯者に恋をしてはいけません2【安室透/降谷零】

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蘭「あ、Aちゃん！」

園「珍しいね！遅刻なんて」

「ま、まぁ...」

園「寝坊？」

「そう...かな」



いや寝坊なのかな
むしろ登校時間はまだ起きてた



蘭「...でもお弁当は食べるんだ」

「あ...まだ食べてなくて...」



偉い人に怒られたのか何なのか知らないけど
やっぱり夕方の電話での様子は嘘じゃなかったようにあの男は疲れてるみたいだった

魚を焼いてくれた後からはずっと釣りしてるポーズだけで実際には1匹も
何か可哀想だったし、少しくらい良いかなって...
"付き合ってくれ"ってそこだけ切り抜いたら告白みたいな要望に応えてみた

...とは言え
本当にただぼーっとSNS漁ったり
ハロは金髪の膝の上で寝ちゃうし
なかなか夜は明けなくて

隣で時折風に揺れる明るい髪色を盗み見ては、このふざけた男をどうやって諦めようかと

いっそ彼女を作らせる、とか
嫌われるような事をする、とか
私自身の思いを変えられないならって思ったけど、どれも出来そうにない

何だろうと人生のどん底から救ってくれたのは確かだから
裏切るような事は嫌
しかもそんな事をしたところで相手は闇深そうな警察
もっと酷い仕返しをされる

...あんなに人気なのにネットには"安室透"の写真が一切無い
ポアロが特集されてる記事も見つけたのに映ってるのは梓さんだけ
お陰で"安室透って誰？"派JKと、"マジでイケメン"派JKにSNS上では分かれてるらしい

名前も偽名
職業も多分カモフラージュ
自宅はさっぱりしすぎ
まるでいつでも跡形なく消えれるように

...なら写真もきっとそういう理由で撮れないんだろうと思って
わざと分かりやすくスマホのカメラを向けてみたら
画面越しに目が



降『特別だぞ』

『っ、撮っちゃダメならそう言えばいいじゃん』

降『相変わらず賢いな。早く惚れさせてくれないと勝手に惚れるぞ』

『なっ！絶対！やめて！』



...って私は本気で言ってるのに
また笑う
全部冗談みたいに

結局使わなかったテントを片付けて、今度は私の膝の上で寝始めたハロを抱えて乗り込んだいつもの狭苦しい白い車
帰路に着いてすぐ明るくなって来た空の下私もいつの間にか...

...で気付いたら、ショボいアパートの"臭い"布団の中で目を覚ましてた
鞄の中にお弁当入れられてたのに気付いたのは実はついさっき



園「今日も美味しそうなお弁当ねぇ、私も料理習おっかな」

蘭「園子はシェフがいるでしょ？」

園「真さんに作ってあげる為よ！」



私が作ったわけじゃ無いとか、黙っとこ

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