共犯者に恋をしてはいけません2【安室透/降谷零】

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梓「シミや傷跡ですか？」

安「はい、何かおすすめはありませんか？」

梓「そうですね...ビタミンC誘導体が良いだとか聞いた事ありますけど、私もよくは...安室さんスキンケアするんですか？」

安「あ、いえ、知人に聞かれたもので」

緑「知人...もしかして！ついに彼女ですか！？」

安「残念ながら違います」



そのままあの子の名前を持ち出しても良かったが、せっかく隠している傷跡の事はバレたくはないだろう

そんな平日の昼間
明日から俺は三日間米花を離れる事になっている



緑「実際、安室さんってどんな生活してるんですか？」

安「一般的な一人暮らしですよ」

緑「ずっと気になってたんですけど、すごく頭も良いのに29歳で喫茶店でアルバイトしながら独り身なんて...寂しくないんですか？」



そう思いたくなかった時期もあったな
数年もしないうちに友人を次々と失くし、プライベートなどあって無いような生活
庭付き一軒家を持ちたいとか、家族が欲しいとか
そんな欲がそもそも無くても、制限されていると感覚が違って来る

だがそれも今は



安「実は僕、犬を飼ってるんです」

梓「え、そうなんですか！？」



あのアパートに帰るのが楽しみなくらいになった



安「野良犬だったんですが、何度追い返してもしつこく僕に着いて来たので根負けして飼う事にしました」

梓「全然知りませんでした！いつからですか？」

安「何ヶ月か前だったと思いますよ。写真見ますか？」

緑「見たいです！」



携帯を取り出して漁るフォルダ
一覧の最後にあるハロとAが抱き合って眠る微笑ましい盗撮画像を飛ばし、拡大表示させたのはハロを散歩に連れて行った時の写真



梓・緑「「かわいいー！」」



三日間、寂しくなるな...





・




降「A、少し手伝ってくれ」



こうして呼ばないと見送りもしてくれない強情さ



「...なに」

降「大丈夫だ、直ぐ帰ってくるからAと留守番してるんだぞ」



玄関の扉を開けると着いて来ようとするハロを抱き上げ、そう言い聞かせてから相変わらずな表情の少女に預ける



「...早く行きなよ」

降「なんだ、お前もハグして欲しいのか？」

「は、んなわけないでしょ！...ってちょっと！！」



まさか俺が家を空けたこの三日間であんな事が起きようとは



降「じゃあ頼んだぞ」



真っ赤な顔の少女と真っ白な毛の犬を置いて
二人にはお土産でも買って来るかと、普段より意気高く始まった出張

だったが...

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