共犯者に恋をしてはいけません2【安室透/降谷零】

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それからというもの
...ってまだ1週間くらいだけど



「ただいまー！」



鍵を差し込んで開くショボいアパートのドアから出迎えてくれるのは



「よしよし」



しっぽをものすごい勢いでフリフリしながら、制服のハイソックスを攻撃して来る白い犬
そんなハロを掬い上げるように抱き上げローファーを脱いで、2本に増えた鍵を束ねるキーホルダーはポケットに入れる

これが早速習慣になってしまった



「良い子にしてた？」



その返事代わりに顔を舐められても悪い気はしない
だって可愛い
丸い瞳とふわふわした毛と
全部が可愛い

そう、私はハロに会う為にここに来てる
絶対金髪の為じゃない
大事な事だから2回言うけど絶対金髪に会う為じゃない



「今日ね、ハロ病院行かなきゃいけないんだって」



この1週間の間
金髪はどんどん調子に乗って来てる
例えば、ある日学校で予報に無かった雨が降り始めた時

"ハロと迎えに行ってやってもいいぞ"

って気色悪いメッセージが送られて来たり

昨日なんか、ハロの首に"おかえり！"って手書きで書かれたお手製プレートが掛けてあった
イラッとしたけど、ハロは可愛いしハロは悪くないし、心なしかむしろ見せつけて来るハロを怖がらせたくなかったから
...そっと外してあげて、何も見なかった事にした


テーブルの上には5千円札、ハロの病院代
自分は間に合わないかもしれないからって任せられた任務



「大丈夫、すぐ終わるから！」



何かの予防接種らしいけど、今までにもワクチンは受けさせた事あるから心配無いって金髪は言ってた
それでも動物病院自体行った事も無い私に任せるあたり、やっぱり馬鹿だと思う

リードを取って、
ちょっと嫌そうなハロに付けてあげて、
携帯と、
5千円が追加された財布と、
"安室ハロ"の診察券と、
鍵だけ持ってもう一回履き直すローファー



「おいで！」





・




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降「風見、悪いが先に帰らせてもらうぞ」

風「え、しかしまだ資料が

降「今日はハロの予防接種の日なんだ。資料なら後で送っておいて来れ」

風「予防接種に今からですか...？間も無く閉業時間なのでは...」

降「連れて行くのはあの子に頼んだ。もうお前により懐いてるぞ」

風「...っ！ご自宅に上げているのですか！？」

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