共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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「...ただいま...」



誰もいるはずないマンションの扉を開けると、玄関だけ点けっぱなしにされてた明かり
部屋の中は真っ暗

...金髪が消し忘れて行った？

入れ替わりのように玄関の明かりを消して、リビング...というよりワンルームのメインの明かりを点ける

確かにテーブルの上には写真にあったおかず

...あれ？
確かにベッドに脱ぎっぱなしにしてたパジャマ、
ぐちゃぐちゃだった布団、
その名の通りゴミが入ってたゴミ箱が綺麗になってる...

まさか、勝手に来て掃除までして行った？



...頼んでないのに...
嬉しくもなければお節介だとか
まるで反抗期みたいなセリフ

そう思いたかったし、思われたかったんだと思う
だって
恋心なんて気付かない方が皆幸せなんだから
気付いた人から苦しみ出す
それが私になるとは思ってなかったけど

最初は何となくモヤモヤする感情で別に好きでもないタバコに手を伸ばしてたのに、それも早速禁止されたし
正体不明な憂鬱への対処法が分からなかった


...まぁ、そんな事よりもう少し昔話の続きをしよっか



おかずはラップがされたまま冷蔵庫に戻して
あのメッセージに既読無視のままお風呂に入って、そう言えば今回は手当のおかげか随分早くアザ消えたなーって呑気に湯船にも浸かった

言われてみればシンプルで中性的なデザインの家具ばかりの部屋
メガネが金髪の為に用意した物だったのかも
そのうちの一つであるベッドに潜り込んで、スマホと睨めっこしてたらいつの間にか眠って

アラームに起こされた後二日目の女子高生



園「あ、Aちゃんおはよ！」

「...おはよ」



その簡単な挨拶すら長らくしてなかったな...
夜が私の中心だったおかげで起きてたのはいつも昼近くだったし



蘭「今日は放課後ポアロに行くんだよね？」

「え、ぽ、ポアロ？」



...って確か"安室透"がバイトしてる喫茶店だっけ？



蘭「あれ？Aちゃん聞いてない？」

「何を...？」

蘭「安室さんが今日はAちゃんと用事があるからポアロで待ち合わせしてるって、言ってたけど...」



いや聞いてない

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