共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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降「気に入ったか？」



メガネは車に荷物を撮りに行って

カーテンを開いて現れた窓の先は、東京の夜景が広がる視界
嘘でしょ
え？
私ここに住むの？
え？？



「...ベッド...」



ふかふか...
昨日のホテルより気持ちいい
ものすごく大きいベッドって事でもないけど、一人には充分

部屋自体はワンルームだけど
テレビ見れるソファもあるし、ご飯食べれるテーブルもある
でも...



「む、無理だよ...こんなとこ...お金無いし...」

降「何も払えとは言ってないだろ」



キッチンの方で食器やらを戸棚に入れる後頭部から返って来た声



「...払ってくれる気なの！？」

降「嫌なのか？」

「嫌とかじゃなくてダメでしょ！昨日買ってくれた服とか奢ってくれたご飯のお金だけでも返すのに時間かかるのに、家賃なんて！それに、そんなの警察の仕事じゃないでしょ？まさか税金使うの？」

降「俺がお前に投資したいんだ、だから受け取って欲しい」

「...は？」



そう言って足場にしていた台から降りた様子に合わせて、私もベッドから体を起こして
まさか見渡す家具もこの昨日と今日で買ったのかとビビってみる



「投資って何？どういう意味？」

降「将来お前が成功する可能性もあるだろ。起業家にでもなったりして、俺の老後を養ってくれ」

「...あんたさ、ちょっと思ってたけど馬鹿だよね？頭のネジ吹っ飛んでんの？それとも警察って馬鹿でもなれるの？」

降「馬鹿もいるな、お前の母親が相談した相手がそうだ」

「.....」

降「とにかく、そう深く考えるな。お前は自由に好きなように暮らしていけばいい。見返りなど求めていない」

「...人間って自分にメリットが無い事はしないんだよ」

降「やっぱり賢い子だな」

「...そうやってたまに笑うのやめてくれる？めっちゃキモいんだけど」



心臓に悪いっていうか

ドキって嫌な音が聞こえるから



降「ならいつも笑ってればいいのか？」

「...っ、違うよ！"たまに"がダメなんじゃなくてそのニヤニヤしてるみたいなのがキモいの！」



着実に根を生やして芽が出て、抜けも切れもしなくなる感情が育って行く音が



「っていうか、あのメガネのおじさんは誰なの？警察なんだよね？」

降「それ含めて大事な話がある、ちょっと来てくれ」

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