共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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「ねえ、本当にヤバいって！」



私が騙されてるだけかもしれないのに人の心配も出来てる私
進む廊下や乗るエレベーターは静かで、それが余計に怖かった



「どうすんの！？もし誰かに

降「大丈夫だ」



そうやってたった一言で片付けようとする態度が分からない
何でそんな自信満々に言えるの？
と考えながら、そう言えば"自信家"だったっけ...



降「それより、これから何をするのかは聞かないのか？」

「...聞くけど」

降「お前の父親への処罰を決める」

「...え？」

降「ここだ」



ものすごい発言の直後に立ち止まられたのは質素な扉の前
そう、この時まで嘘のように、お父さんの事なんか忘れていた

これまで毎日その存在に小さくなりながら過ごして来たのに
たった一晩遊んで、その相手が警察だった衝撃にやられて、警察手帳まで預けられた緊張に現実をすっかり忘れていた

そうだった...
お父さん...

絶対怒ってるよね...？
一晩ずっと帰らなかったし
しかもこんな



降「気持ちは分かるが怖がる事は無い。ガラスで仕切られているからお前に手出しも出来ない」

「えっ、いるの？」

降「この扉の先だ」

「...逮捕、したの...？」

降「任意の事情聴取だ」

「.....」



明らかに動揺するしかなかった
だって、怖い物は仕方ない

やっぱり昨日素直に帰ってればよかっただとか、
こうなった以上ただ怒られるだけじゃ済まないだとか、
痛くて辛い感覚が蘇って来て

まだ私は、これまでの生活から抜け出せてるとは思ってなかった
忘れてたし考えては無かったけど、かと言ってあの地獄みたいな毎日から解放されたとは全く

だから、"任意の事情聴取"だと言って、この金髪が昨日の夜の約束を本当に実行したんだとは気付いてなかった

"父親は俺が何とかする"ってやつ



降「どうする？無理にとは言わないが、俺はお前に同席して欲しい」

「.....」



怖い
もう手が震えてる
それだけ怒られるような事をした自覚はあるから

結局私は...



「っ、ちょっ

降「お前は弱くなんかない、自信を持て」



スーツの裾をヒラっとさせて、持ち上げるように取られた手に握らされたのは
ずっしりした鉄の塊

...嘘でしょ



「...ほ、本物...？」

降「撃ってみれば分かる」

「はっ、馬鹿なの！？あんた警察でしょ！？」



って暴言吐いたつもりが
逆に笑われて



降「それでいい、その調子だ」



私に銃を握らせたまま開かれた扉

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