共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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降「未成年かと日本語で聞いただろ」

「....」



いや、その顔で喋られたら全部外国語に聞こえる気がするんだけど
ボンジュールだとかよく分かんないけど言い出しそうじゃん


それにしても、めんどくさいのに絡まれた...
交番に突き出されて補導でもされたらやばい
今手にしてる万引きも、違法な手段でお金を稼いでいる事も
補導とか逮捕とかそれ自体そもそも嫌だけど、それでお父さんに迷惑かかったら...

絶対殴られる

そんな意味で私は今の生活が始まってから、警察がトラウマレベルに怖い
交番の前も通りたくない
犯罪者なんだから当たり前だけど

当時お母さんを助けてくれなかったって事でも、実はちょっと恨んでる
どうせ警察なんてって



降「どうなんだ、未成年なのか？」



めんどくさ



「これ、見て分かんない？お酒」



そう掲げて見せたのは万引きした中身
いいじゃん
どうせこのエセ外人は私が万引きしたなんて知らないんだから



「それとも何？新手のナンパ？」



めっちゃジロジロ見てくるし
キモいんだけど

そういう格好してる私が悪いとは言わないで



「お金くれるならヤってもい

降「家族は」

「...は？家族？」

降「友達でもいい、相談出来るような相手はいないのか」

「...何言ってんの、キモ」



ヤバい
万引きバレてたんだ

そう気付いて咄嗟に冷静なフリをしたのがそんなセリフ

言い終わった直後には必死に逃げてた

捕まりたくない
警察は嫌だ
お父さんに殴られる
いや殺されるかも
あのコンビニにはもう行けない
どうしよう
通報される？
顔バレしてるし

消えたお母さんが残していった古いピンヒールに足を挫きそうになりながら走ったアスファルトの上

これで私の人生終わったら全部あのクソ外人のせいだって、家よりずっと暖かい黒い地面に膝を擦りむいた





これが私と安室という男の出会い

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