共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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降「...やけに疲れた顔だな」

「そ、そんなもの渡されたら疲れるに決まってるじゃん！」



本当に戻って来た
部屋に通してからすぐに押しつけるように警察手帳を返して、一番最初に思ったのはそれ

昨日とは打って変わってスーツにネクタイに、かっちりした暑苦しそうな格好
よく分かんないけど"ガチだ"と感じた

ガチで私は警察に捕まってるんだと
金髪青い目の"自信家"の"お兄さん"警察に



降「まさかまだ食べてないのか？」

「っ、だからそんな物持ってたら行けないって！」



そうやってそこまで広くはない部屋の真ん中で"あんたのせいだから"と言いたいように凝視すると



「...な、なに」



返ってきたのは意外な微笑



降「今日生きていられているのはお前のおかげだ。感謝する」



まるでテレパシーが伝わっていたかのようなセリフ
そこでまた変にドキッとして



降「酒にも手をつけていなければ、逃げもせず、ずっと大事に守ってくれていたようだな。良い子じゃないか」

「はっ...別に良い子なんかじゃ

降「褒められたら素直に喜ぶ、その方がモテるぞ」

「なっ！聞いてない！！」



あまりに突然変わってしまった夜と、あの革小物への責任で一杯一杯になってこの時すっかり忘れてしまっていた本来の風景



新品の洋服に着替えて、せっかく持って来た荷物をまた再び抱えてチェックアウトして乗らされた車

どこに行くのかも何をするのかも、これから私はどうなるのかも分からないまま



降「それで、もう昼だが何が食べたい？」

「...仕事しなくて良いの？警察でしょ？」



昼間の東京はこんなに綺麗なんだと窓の外を見つめていた

不思議な気分だった
空ってこんなに青いんだ
太陽ってこんなに眩しいんだ

私は本当に暗い世界にいたのだと悟ると



降「...そうだな。先に仕事を済ませよう」



いつのまにか外の人通りが少なくなって行く
大きな建物ばかりが並んで、昔小学生の時に社会科見学で行った国会議事堂が見えたら



「...え、ちょっと、なんで！」

降「だから仕事だ」

「いや無理無理！！何言ってんの！？」



辿り着いたのは"警視庁"



「自分が警察だからって私は

降「大丈夫だ、逮捕したりしない」

「いやいやいやいやこんなの自首と同じじゃ

風「降谷さん！これ以上の拘束は、っ....」



向けられた怪訝そうな目

これが、風見という男、通称"赤パン"との出会い

通称の由来はこの日の夜に起こる

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