共犯者に恋をしてはいけません【安室透/降谷零】

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降『例の少女の父親を抑えてくれ』

風「は、はい！？」

降『取り調べと処理は俺がする、頼んだぞ』

風「え、あ、降谷さん？...降谷さん！」



ツーツー
と虚しく響く通話終了音



公「どうしたんですか？」



居酒屋が盛り上がっていそうなこの時間
まだ警視庁に残っていた我々は、ベルツリー急行の件の後始末を進めていた
もしかして本当に降谷さんは未成年と一線を超えたのでは...と心配で心配で正直それどころじゃなかったが

突然鳴り響いた着信にもしや
"やってしまったから処理をしてくれ"
などと無茶な命令をして来るのかと思いきや

あの少女、確か...AA、の父親を抑えろ...？



風「...悪いが少し出て来る、君達で作業を続けてくれ」

公「分かりました」



逮捕状も無ければ被害届も無い
そんな人間を取り押さえるのは違法行為

...とそこまで考えて思い出す上司の言葉

『違法作業の後始末なら得意だろ』

...そんな、無茶苦茶な...




エレベーターで地下駐車場へ向かい、AAの調査を命令された時に感じたような怠惰で、車に乗り込んですぐノートパソコンを開いた

住民票で登録されている住所をナビに入れ、これから犯す違法行為に深く一息つく


...大丈夫だ、きっと降谷さんには何か考えがあるはずだ


...あるよな！？







・






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「で、でも帰らないとまた怒られ

降「大丈夫だ、俺がなんとかする」

「なんとかって...」



このエセ外人になんとか出来るわけないじゃん
そんなの当たり前のように分かってたけど
せっかく誕生日だし、
今のところ本当に悪いようにはされてないし、
帰って殴られるより悪い展開なんて無いと思って



降「クレープ一つで誕生日を終わらせるわけにはいかないだろ？まだまだ時間はある、デートだと思え」

「っ、なんでおじさんとデートしなきゃいけないの」

降「"お兄さん"だ。ほら、行くぞ」



そう言って開かれた助手席の外へと誘う手を

私は取ってしまった

叶わない恋への入り口だと気付かずに



降「こう見えて女子高生には結構モテてるんだぞ」

「キモ、自意識過剰じゃん」

降「自信家だと言って欲しいな」



誘われるがまま再び入って行ったネオンが輝く竹下通り

もう戻れない

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