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2個目 ページ2

誰か周りに居ないだろうかと、必死ににゃあにゃあ鳴いてみたけど、人の声どころか足音さえ聞こえてこない。

ザワザワと鳴り止まない風の音が、なんだか怖くて

短い手脚を縺れさせながら、行く宛てもなく走り出した。


走って、走って。たまに根っこを避けるために飛んで、それでも森から抜け出すなんて出来なくて、途方に暮れる。

どうやらめちゃくちゃ大きな森らしく、小さなねこちゃんの身体では抜け出すのに何日掛かるかさえも分からない。

……抜け出すのを諦めて、この森で生きていくしかなのかなぁ。

トボトボと大分慣れて来た四足歩行に、ほんのりと悲しみつつ水場を探してまた、宛もなく森を彷徨う。




歩き続けてどれだけの時間が経ったのだろうか。
背の高い木で太陽が見えなくて、今の時間すら分からない。
喉はカラカラでお腹も空いたし、ずっと歩き続けた脚は産まれたての子ヤギのようにプルプルと震えて、立つことすらやっとの始末。


だれか、たすけてよ









『みぃ…』

身を隠せるほどの葉が生い茂った木の上で相棒のスコープを使い、α国とβ国の密会現場と噂の掘っ建て小屋を監視していると
とても小さく掠れるような、猫の鳴き声が聞こえてきた。

それは集中していなければ聴き取れない程小さくて、慌てて周りを見渡すが
当然木の上に居る僕の周りに居る訳もなく、慌てて降りれば
登っていた木からほんの少し離れた場所にポツリと黒い毛玉が落ちていた。

それはピクリとも動かず、慌てて近付いて抱き上げればまだ暖かい。
良かった、まだ生きてる。

「タバコ臭いかもやけど我慢してな、すぐ助けたるから」

身を隠すために渋々着ていたミニタリージャケットで少しでも冷えないように猫を包み、別行動中の後輩と合流すべく走り出した。

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Licorice(プロフ) - コメント失礼します…めちゃめちゃどタイプの小説です。続き楽しみに待ってますッ! (2021年11月3日 17時) (レス) id: a0eadc7796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬弥生 | 作成日時:2021年8月9日 3時

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