黒猫は幸せを届けたい (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:23,756 hit

4個目ページ4

『ぴゃあ』
変に鳴いた瞬間、さっきまでモゾモゾと動いていた子猫は石になったかのように固まってしまう。

えっちょっと待って、どっか痛いんか？
手を伸ばしてそっと全身を撫でてみるが特に反応が無い。……どういうこと？

とりあえずもふもふと堪能していると、ゴロゴロ音が聞こえてきた。ふは、固まっとるのにゴロゴロ言うとる。おもろ

｢よしよし、ここがえぇんやろ｣
喉や耳の付け根をこしょこしょと撫でれば、さっきよりもハッキリと聞こえてくる喉の音に癒される。
あーねこかわいいんじゃぁ…

ひたすらに可愛がっていると、子猫はとろとろに蕩けてしまいパッと見だと黒い毛玉にしか見えへんくなった。まっくろくろすけっぽい

余りの顔の良さに固まっているとお兄さんは何を思ったのか、全身をそっと撫でてきた。
それに驚いて宇宙猫をしていたが、撫でられた反動でゴロゴロと喉が鳴ってしまう。

｢よしよし、ここがえぇんやろ｣
それに気を良くしたであろうお兄さんが喉や耳の付け根をこしょこしょしてくるから、もっと撫でて欲しくてゴロゴロともっと大きく喉が鳴ってしまう。

あー……そこそこ、そこです。うひゃー！

ひたすら撫で回されこねくり回され、てろんとベッドの代わりであろうジャケットの上で溶けていると
ガシャン！！と重たい鉄が落ちて床に叩きつけられ、大きな音が響いた。

あまりにも大きく聞こえた音にビックリして、尻尾の毛が逆立つ。

｢ちょ、ゾムさぁん！おちびちゃんがびっくりして毛玉になってもうたやん！｣

｢いや～、まさか生き延びるとは思わんかってんもん｣

え、そんなに危険な状態だったんですか私。

なんとか生き延びたみたいです。