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それだけじゃない。クリームがたっぷり掛かったプディングやアイスクリーム、チョコレート、ケーキ、見た事のない異国の果物まである。
途端に生徒達は皆、食事に夢中になった。
「うぉー!食うぞぉぉぉお!!んおおおお、うめえぇぇぇ!」
「ちょ、ひょん、口開けたまま喋らないで!わぁ〜!これもあれも美味しい!作り方知りたい!!」
「そう言うミンギュもだよ…まったく、お行儀悪いったら」
両隣りでホシ、ミンギュが一気食いでもするかの如く食べ始め、Aが呆気に取られてると、真向かいにいた細身の男の子がやれやれといった様子でナイフとフォークを手にしたところだった。
Aと目が合い、にっこりと微笑む。
「やぁ、初めまして。僕はディエイトだよ」
『でぃ、でぃ…?』
聞き慣れない名前に聞き返すと、
「ふふ、うん。本名はシュウ・ミンハオって言うんだけど…ソ・ミョンホって名前もあるし。まぁ、好きなように呼んで」
『あ、はい…』
そう言って、小さく切り分けたステーキを静かに口に運ぶ。その流れるような所作がとても綺麗で、思わずAは見惚れた。線が細いとはいえ骨格も声も全然男性なのに、まるで女性みたいに柔和で美しい。おかげで、なぜ本名以外の呼び名があるのか聞きそびれてしまった。
ホシもそうだ。単純に、あだ名なのだろうか。
「…なに?僕の顔になんか付いてる?」
『い、いえ…ごめんなさい、なんでもないです』
あんまりじーっと見ていたせいで、ディエイトが面を上げた。不思議そうに首を傾げる。
「そ?…ぼんやりしてると、食べ損ねるよ」
『はい、食べます、』
と言ったものの、何から手を付けていいかわからない。どれも美味しそうだ。
「あ、あのさ、Aは──、あっ、とごめん、Aって呼んでいい?」
『え?あ、はい』
頬一杯にステーキ肉を詰め込んだミンギュが、また話し掛けて来た。
「敬語いいよ、Aって同い年でしょ?1997年生まれ」
『あ、うん、そう』
新入生(※1年生)の集団の中に一人だけ5年生がいることについて、ミンギュは屈託のない笑顔で頷き、咀嚼した肉を勢いよく飲み込みながら、
「同い年嬉しいー!俺と、ミョンホと、あとドギョムって奴がいるんだけど、みんな5年生だよ!ちなみにホシヒョンは1個上の6年生!みんなハッフルパフだよ〜!」
と喜んでいる。そこへすかさずホシが突っ込んだ。
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七瀬(プロフ) - あわさん» うわ〜ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜!!また遊びに来てくださいね。 (11月23日 13時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 私が求めてたのはこれだったんだ (11月11日 23時) (レス) @page7 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 翡翠さん» 良い意味に解釈していいのかわからないものの…見つけてくださってありがとうございます! (11月11日 22時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - とんでもねえ作品見つけた (11月6日 0時) (レス) @page5 id: ffb83b80cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七瀬 | 作成日時:2023年11月5日 21時