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Aはいたたまれない気持ちになった。秀才なんてとんでもない。
どっちかって言うと、先生に個別試験を命じられてしまう落ちこぼれだ。
「はは、そんなことないでしょ」ウォヌは目を細める。
『そんなことあります…だって、さっきの浮遊呪文、私まだ使えないし…』ぶつぶつと呟くと、
「あ、そうなの？あれ簡単だよ。練習してみた？」ウォヌはまた懐から杖を出して、振るような素振りを見せる。
『はい、でも…』
まだ出来ない。
そうとは言いづらくて、言葉を濁すと、ウォヌは杖を再び懐に仕舞った。
「まぁ、まだここ来たばっかなんだから当然じゃない？大丈夫大丈夫、すぐ出来るようになるよ」
『そうですかね…』
恐縮していると、ウォヌの視線がテーブル上の積み重なった本へと向けられた。
「…全部、変身術に関してだね？」
『あ、そうなんです。来週までに、読んだ上でテストを受けなきゃいけなくて…』
「ふーん…」
話題が変わったことにホッとしてAは答えた。ウォヌは手を伸ばし、一番上にあった「究極の魔術 ”動物もどき”とその実態」を手に取ってパラパラとページをめくる。Aも脇からそっと覗き込んだ。
本には、所々挿絵付きで、動物もどきについての解説がびっしり書かれているようだった。
変身術とは、対象の形や状態を別のものへ変化させる魔術のことだ。
マクゴナガル先生によると、変身術は他のどの呪文よりも習得が大変であり、最も危険な魔術でもあるらしい。
Aは、ホグワーツ入学以来、基本どの授業でも先生の一言一句を聞き逃すまいと懸命に受けていたが、誰しも不得手というものはある。それが、どうもこの変身術のようだった。
変身というものに馴染みがなさ過ぎて、チンプンカンプンなのだ。
通常ホグワーツでは、まず簡単な魔法から習い始め、学年が上がるごとに次第に難解な魔法に挑戦し、習得していくというのが通例だ。
よって、魔法に関して右も左もわからないような1年生における変身術とは、まずマッチ棒を針に変えるところから始まる。
それが2年生になると、コガネムシをボタンに変え、3年生にもなれば「動物もどき」の講義を受けることとなり──そういう風にして、生徒達は皆成長していく。
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七瀬(プロフ) - あわさん» うわ〜ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜！！また遊びに来てくださいね。 (11月23日 13時) (
レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 私が求めてたのはこれだったんだ (11月11日 23時) (レス) @page7 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 翡翠さん» 良い意味に解釈していいのかわからないものの…見つけてくださってありがとうございます！ (11月11日 22時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - とんでもねえ作品見つけた (11月6日 0時) (レス) @page5 id: ffb83b80cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬 | 作成日時：2023年11月5日 21時
