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本とAを見比べて、微笑まれる。Aが頷くと、ウォヌは静かに近づいて来て、ぽん、とAの本タワーの最上階にそれを重ねた。
途端にずしりとその分の重みが加わる。おかげでちょっとよろめいた。
『…う、』
「ははっ、重そう、」
ウォヌは声を立てて笑った。手ぶらの長身の彼に見下ろされて、非常に面白くない。
1学年上の先輩だということも忘れて、Aはウォヌを睨んだ。
『…意地悪ですね』
「そう？────ウィンガーディアム・レヴィオーサ！」
『あっ！！？』
Aが次の恨めしい言葉を発する前に、ウォヌは懐から杖を取り出し一振りした。すると、4冊の本が軽々と宙に浮き、ふわ〜っと一列になって、広間の中央の方へ飛んで行くではないか！
『わ、わ、わーっ！凄い！』
身軽になったAは、口をポカンと開けながら、本に導かれるようにしてウォヌと並んで歩いた(実際には本はウォヌが操っているのだが)。
本はスイスイと難なく迷路のような書棚の間を潜り抜け、最終的に図書室の中央、大きな長テーブルの上に、きっちりと綺麗に積み重なって静止した。まるで何事もなかったかのようだ。
それらを見て、Aは思わず拍手した。ウォヌの魔法が流れるように綺麗だったのと、まさか初対面の人に魔法で助けてもらえるなんて思わなかったからだ。
『ありがとうございます…！助かりました！』
改めて向かい合い、深々と腰を折って礼をすると、ウォヌは「いいよ、さっきはごめんね」と微笑んだ。
「俺、本に集中すると周りが見えなくなるから。君が先に狙ってたって、気づかなかった」
そう言って、Aが立つ長テーブルの横、一つ隣の椅子を引いて腰を掛けた。床に、彼の纏う青とブロンズ色のローブの裾がふわりと波紋のように広がる。
胸元には、鷲の紋章の制服。紛れもなく、レイブンクロー生だ。
レイブンクローのモットーは、「知性・機知・独創性」。
この人に合ってるなぁと何となく紋章を見つめながら、Aも隣の椅子を引いて座った。彼ともっと話してみたいと思ったからだ。
ウォヌは落ち着いた口調で、口角を上げてAを見た。
「君、転入して来た5年生でしょ？噂の」
『え、どんな噂ですか』
「この学校、高学年で転入してくる人って滅多になくて、珍しいからさ。よっぽどの秀才なんじゃないかって、みんな言ってるけど」
『うぇ…、違います、それは本当にただの噂です、』
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七瀬(プロフ) - あわさん» うわ〜ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜！！また遊びに来てくださいね。 (11月23日 13時) (
レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 私が求めてたのはこれだったんだ (11月11日 23時) (レス) @page7 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 翡翠さん» 良い意味に解釈していいのかわからないものの…見つけてくださってありがとうございます！ (11月11日 22時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - とんでもねえ作品見つけた (11月6日 0時) (レス) @page5 id: ffb83b80cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬 | 作成日時：2023年11月5日 21時
